FILE NO 568 宮崎と周辺の植物
オオイワヒトデ Colysis pothifolia (Hamilt. ex D.Don) presl
大岩人手 ウラボシラ科
撮影日 2007.1.20
撮影場所 宮崎市

 愛媛、高知県以西、台湾、中国、インドシナからフィリッピンに分布する常緑性のシダ。
 これより小型のイワヒトデは伊豆諸島、東海地域以西にあるが、オオイワヒトデの分布域はさらに限られるので記載のない図鑑等もある。宮崎では薄暗い樹林下などで辺り一面に広がった群落が見られるなど、普通にあるシダである。
 オオは大きいの意味だが、イワヒトデは岩上などに生えて葉型が握った人間の手を開いたように見えるからと牧野図鑑にはある。
画像1 低山山麓に植えられた杉の疎林、日当たりが悪く湿り気の多い。平地は杉の根元が見えないほどにシダに覆われ、その一角をオオイワヒトデの小群落が占めているが、安定して住み分けているのか、増減の方向に進んでいるのかは判らない。 種小名の「pothifolia」は「ポトスに似た葉の」という意味らしいが、普通に見るポトスの葉を見ても理解が及ばない。
画像2 オオイワヒトデの全景。羽片の数は10対、根ぎわから頂羽片の
       先端まで110cmほどある。栄養葉も胞子葉も大きさ、形は変わらない。
撮影:(2005.11.5 西都市)
画像3 葉は深裂した1回羽状複葉、薄い紙質の多少皺がよった感じのする羽片が広角に広がる。撮影:(2007.1.20 宮崎市) 画像4 葉の下面、線形の胞子嚢群は羽片基部から羽軸に斜めに整列してつき、長さの3分の2ぐらいまでつく。 撮影:(2007.1.20 宮崎市 )
画像5 葉の上面は光沢があり、羽片基部は細くなって水掻き部分を作って翼状に軸につく。
撮影:(2005.11.5 西都市)
画像6 葉の下面の羽片基部、殆ど無毛の軸との間の水掻き状の部分にも胞子嚢群はつく。
撮影:(2005.11.5 西都市) 
画像7 羽片は柔らかくて縁は波状にうねり、羽片全体も真っ直ぐにはならず多少折れ目がつく。 撮影:(2005.11.5 西都市) 画像8 胞子嚢群は羽軸に接してつき、斜めに広がって殆ど羽片の縁まで達する。
撮影:(2007.1.20 宮崎市)
画像9  葉の上面。脈は不規則な網目状となって連結し、裏側の胞子嚢群が黒く透けて見える。 撮影:(2007.1.20 宮崎市) 画像10 胞子嚢群の長さは2cm近くになるが、つく位置と脈との関係はよく分らない。
撮影:(2007.1.20 宮崎市)
画像11 中軸は葉の基部から流れた翼が細く続いて溝を作る。
撮影:(2005.11.5 西都市)
画像12 葉柄はわら色で基部付近を除いて、基本的に鱗片はない。
撮影:(2005.11.5 西都市)
画像13 無毛で滑らかな中軸に鱗片はなく、白っぽく見える。 撮影:(2007.1.20 宮崎市) 画像14 葉柄基部と 横に走る直径1cm近い根茎には褐色の小さな鱗片がつく。
撮影:(2007.1.20 宮崎市)
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