FILE NO 622 宮崎と周辺の植物
オオキジノオ Plagiogyria euphlebia (Kunze) Mett.
大雉の尾 チャセンシダ科
撮影日 2009.1.24
撮影場所 宮崎市

  和名は大きな雉の尾シダの意味で、葉が雉の尾を連想させることから来ている。
  関東・東北以西と奄美大島、済州島、中国中南部から台湾、ヒマラヤ〜インドネシア、フィリピンに分布しているそうで、日本には他に変種も含めてキジノオシダの仲間が数種あるようだ。
  キジノオシダ科のシダは1属だけで、鱗片も毛もない上に葉柄基部が三角状に広がる等、ちょっと変わったシダで、シダの系統での位置が未だに決まってないという。
画像1 やや乾いた樹林下に自生する常緑性のシダで県内に普通。  栄養葉と胞子葉二形がある。
画像2 栄養葉は単羽状で、羽片は最大片側10個ほど、葉柄基部から頂羽片基部まで70cmほど、
    葉柄はその半分で頂羽片が長さ13cmほどなので、地表から葉の先まで85cmほどある。
    立ち上がった葉はゆったりと葉面を上にして湾曲し、頂羽片は完全に下に垂れ下がる。
 撮影:(2009.1.24 宮崎市)
画像3 下向きに垂れた葉の先、中軸の左右に出た羽片と先端から伸びた頂羽片。
 頂羽片は羽片と同じ形状で長さ13cmほど、完全に独立している。 
 撮影:(2009.1.24 宮崎市)
画像4 中軸の中部以下につく羽片には、頂羽片と長さもほぼ同じで3ミリほどのはっきりとした柄がある。撮影:(2009.1.24 宮崎市) 画像5 葉下面の脈は分岐したもの、分岐しないものがある。羽片基部近くの鋸歯は目立たないが、先の方では目立つ。 撮影:(2009.1.24 宮崎市)
画像6  (羽片上面) 革質で濃緑色の羽片は中部より先で鋸歯が目立ち、平行気味の脈が明確に見える。  撮影:(2007.1.20 宮崎市) 画像7 羽片先端。鋸歯は羽片の最先端まで見られ、細いながらもしっかりと形を保持している。
撮影:(2007.1.20 宮崎市)
画像8 樹林中の若い胞子葉。高さ1m以上もある軸が立ち上がる。  撮影:(2007.5.18 北郷町) 画像9 まだ開かない若い胞子葉の先端部。色も形も独特で面白い。 撮影:(2007.5.18 北郷町)
画像10 胞子葉。高さ1m以上にもなり、細い羽片は鮮やかな褐色。  撮影:(2006.8.27 北郷町) 画像11フラッシュで撮影の胞子葉画像。羽片の長さは20cmを超える。 撮影:(2006.8.27 北郷町)
画像12 胞子葉羽片のアップ画像。細長い羽片の葉縁を外側に巻き込んで
        胞子嚢群(ソーラス)がつく。側羽片にはごく短いが明確な柄がある。
 撮影:(2006.8.27 北郷町)
画像13 葉柄は基部で両側に広がって三角状の断面を作る。鱗片は見られない。
撮影:(2009.1.24 宮崎市)
画像14 葉柄の下部にも鱗片は殆ど見られない。葉柄の断面は中部以上では丸くなる。
撮影:(2009.1.24 宮崎市)
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