FILE NO 648 宮崎と周辺の植物
オランダミミナグサ Cerastium glomeratum Thuill.
和蘭耳菜草 ナデシコ科
撮影日 2010.3.22
撮影場所 県中部

 
本州〜琉球まで広く見られる越年草の帰化植物で、明治の末に牧野富太郎が存在に気づいて命名したと言われてている。
 西洋から来た外来種を名づける場合には舶来物の冠称として使われていたオランダをつけることが多く、牧野もそれに倣って命名したと思われるが、私が持っている牧野新日本物物図鑑(北隆館第26版)には載っていない。正確にいえば、名づけの基になった在来のミミナグサも、古い時代の日本に渡来して住みついた史前帰化植物と言われているので、早い遅いの違いはあってもどちらも舶来物ということになる。
 この宮崎でも他県同様、市街地周辺で見かけるのはオランダミミナグサだけになってしまった。
画像1 日当りの良い堤防の高さ25mほどの株、花は枝先にまとまる。   全体に腺毛が混じる毛が多い。
画像2 草地に群生して春の日差しを受ける花は周囲の色彩に溶け込んでいる。
 撮影:(2010.3.22 県中部)
画像3 花は短い花柄の先に密集するが咲く時期が少しづつずれて果実も並ぶ。
撮影:(2010.3.22 県中部)
画像4 花は枝先に集散花序に咲くが、花柄はガク片と同じかより短くて、この画像の右の花の花柄は3〜5ミリ。 撮影:(2010.3.22 県中部) 画像5 花はガク片5とほぼ同じ長さの約3.5ミリの花弁5、オシベ10からなるが、花弁の先は1.5ミリほど切れ込む。撮影:(2010.3.22 県中部)
画像6 メシベを取り囲むように並んだオシベ、開いた花は差し渡し約7ミリ。 撮影:(2010.3.22 県中部) 画像7 やや伸びた柄の先で膨らんだ未熟な果実、先端にメシベ柱頭が残る。撮影:(2010.3.22 県中部)
画像8 正面は果皮を破いて内部の若く白い種子を露出させた未熟な果実。撮影:(2010.3.22 県中部) 画像9 先端に穴が開いて10歯に切れた、かなり熟した果実の種子は少し色づく。撮影:(2010.3.22 県中部)
画像10 熟した果実はガク片より長くなり、先端が開いて10歯に浅裂する。 撮影:(2010.3.22 県中部) 画像11 画像10の中に残っていた種子を取り出したもので、大きさ約0.5ミリ。撮影:(2010.3.22 県中部)
画像12 対生する葉は無柄で長さ1.7cm、表裏ともに毛が多く、腺毛が混じる。撮影:(2010.3.22 県中部) 画像13 葉の上面の軟毛。腺毛の状況は画像6、8を参照のこと。撮影:(2010.3.22 県中部)
画像14 葉の下面。すっきりとした楕円形で中央に1つ脈が走っている。撮影:(2010.3.22 県中部) 画像15 茎は変化が多いが、淡緑色系でミミナグサほど濃い色にならない。撮影:(2010.3.22 県中部)
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