FILE NO 405 宮崎と周辺の植物
リョウメンシダ Arachniodes standishii (Moore) ohwi
両面羊歯 オシダ科
撮影日 2010.1.30
撮影場所 県中部

 
和名と同じ発想と思われるが、英名の「upside-down fern」は、さかさまのシダの意味だろうし、中国名の「両面複葉耳蕨」も同様で、胞子嚢がつかない葉の表側と裏側の色や様子が良く似て判り難いのが特徴の常緑性シダで、葉の形や雰囲気にも独得のものがあり、一度見たら見分けに迷うことはない。
 北海道〜九州の林内の湿った場所に多く自生するが朝鮮済州島などにもあるらしい。
 宮崎でも自生地は林内の日当たりの悪い沢周辺等に限られているが珍しい種類ではない。
画像1 谷脇がれ地に叢生した株。葉は斜面から横方向に長さほぼ1.2m。   
画像2 胞子葉の下面。葉身は3〜4回羽状に複生した長卵状楕円形で、長さ約80cm。
     羽片は最大20対ほどついて上方に向かってなびく。大きな羽片は長さ約28cm。
 撮影:(2010.1.30 県中部)
画像3 葉身中央を走る中軸の見え隠れは、羽片の中軸側内側小羽片が覆っているからで、
    上向しない最下羽片は上部羽片と少し間隔が空いて、外側第1小羽片は特に長い。
撮影:(2009.7.15 県北部)
画像4 無胞子の小羽片の上面。色は淡緑色で縁の鋸歯は浅く尖る。 撮影:(2010.1.30 県中部) 画像5 長さ3.5cmほどの無胞子葉の第1小羽片下面。脈は細い。 撮影:(2010.1.30 県中部)
画像6 胞子嚢群がついた小羽片上面。脈の膨らみは裏の胞子嚢の位置。 撮影:(2010.1.26 県中部) 画像7 胞子嚢群がついた葉の下面。白いのは未だ若い胞子嚢群の苞膜。 撮影:(2010.1.30 県中部)
画像8 無胞子の葉の表面。小羽片は羽軸よりも低い位置について一見裏側に見える。
   葉は紙質で薄い。各羽片の最下小羽片は、内側(上側)の羽片が特に長くて
    中軸側に寄って軸と重なっていることが多い。 撮影:(2010.1.30 県中部)
画像9 胞子嚢群をつけない葉の裏面。 画像8の表側画像と比較すると色の違いが
    大きく写ったが、実際は表側がやや濃い程度。羽片裂片は小羽軸より高い。
撮影:(2010.1.30 県中部)
画像10 胞子は下部羽片の基部から上、左右と外側に広がってつく。
撮影:(2010.1.30 県中部)
画像11 胞子嚢群は始め直径1ミリ程度の白い苞膜に覆われていて見えない。
撮影:(2010.1.26 県中部)
画像12 株の基部にできたばかりの玉状の新葉、明るい黄褐色の鱗片が目立つ。
撮影:(2009.7.15 県北部)
画像13 伸びた葉柄の先に展開してしている葉、黄褐色の鱗片が見える。
撮影:(2009.7.15 県北部)
画像14 葉柄上部の鱗片は落ちて残らない。中軸の表側には明確な溝がある。
撮影:(2007.2.3 県中部)
画像15 葉柄の基部に出る鱗片は淡褐色の線状披針形で、長さ2cm近い。
撮影:(20101.30 県中部)
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