FILE NO 576 宮崎と周辺の植物
サバノオ Dichocarpum dicarpon (Miq.) W. T. Wang et Hsiao
鯖の尾 キンポウゲ科
撮影日 2007.5.3
撮影場所 県北部山地

 サバノオは九州の山地に見られる多年草で、果実が魚の鯖の尾の形に似ているからと言うが、魚類図鑑で見ても鯖の尾がアジやクロマグロの尾に比べて特に変わった形をしているようにも見えない。
 牧野図鑑の鯖の尾説に異論は無いようなので、何か頷ける理由があると思われる。
 種小名の「dicarpon」は(2果実の)の意味で、命名者も果実の特徴に着目して名前をつけている。
 宮崎では山地谷脇の木陰等にひっそりと咲いている。
画像1 小さな谷横の林床に、特徴の葉の模様がはっきりと判る高さ15cmほどの株に咲いた花、スジ模様のガク片が特徴である。
画像2 花は直径8ミリほどで花弁のように見えるのは5個のガク片、
   内側に黄色く見えるのが花弁で5個ある。葉は環境のせいか
緑色の抜けた紫褐色となり、脈の模様が良くわかる。
撮影:(2006.4.9 県北部山地 )
画像3 黄色く見える花弁の内側に白く見えるのがオシベで、細い花糸の先に葯がある。
撮影:(2007.5.3 県北部山地 )
画像4 ガク片には枝を分ける紫色のスジがあり、花柄との接続部分は膨らんでいる。
撮影:(2006.4.9 県北部山地 )
画像5 花は1cmほどの花柄の先に垂れ下がって横向き〜斜め下向きになって咲く。
撮影:(2004.5.2 県北部山地 )
画像6 ガクの上半部を取り去って花弁の柄と舷部の様子が見えるようにした。
撮影:(2004.5.2 県北部山地 )
画像7 花後にメシベの花柱は成長しているが、まだ左右に開かない初期の果実。
撮影:(2004.5.2 県北部山地 )
画像8 サバノオの形に開いた果実、まだ未成長の果実も下がっている。
撮影:(2007.5.15 県北部山地 )
画像9 果実は無柄の袋果で左右1.7cmほどの長さに水平に開く。
果柄との接続部は大きく膨らんで独特の形になる。
撮影:(2007.5.15 県北部山地 )
画像10 葉は3小葉を基本に分れ、その裂片は3中裂して鈍鋸歯が入り、網状の脈が見える。
撮影:(2004.5.2 県北部山地 )
画像11 茎は柔らかくて上部で分枝し、枝ともに軟毛が生える。
撮影:(2004.5.2 県北部山地 )
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