FILE NO 88 宮崎と周辺の植物
サツマルリミノキ Lasianthus japonicus Miq. f. sathumensis (Mathumura) Kitamura
薩摩瑠璃実の木 アカネ科
撮影日 2007.11.20
撮影場所 都農町

 ルリミノキの仲間の殆んどが屋久島から沖縄以南に自生する中で、静岡県以西にあるルリミノキの変種サツマルリミノキは紀伊半島から鹿児島までの太平洋側に多い。
  県内ではルリミノキの生える常緑林内で同じように見られるが、数は少ない。
  林内の薄暗がりの中で熟した瑠璃色の果実が、種子を散布するために何を当てにしているのかは不明だが、色の効果に基づいていることは間違いない。
  よく似たルリミノキの葉や枝は画像17以降を参照。
画像1 谷に傾斜した樹林内遊歩道、フラッシュの光で浮かび上がる鮮やかな瑠璃色は、紅葉を探す散策者の目に留まることはない。
画像2  瑠璃色に熟した果実、濃い緑色の葉のつけ根に数個が固まってつき、
  遠目では目立たないが、目を近づけて見ると鮮やかで美しい。
撮影:(2007.11.11 木城町)
画像3  花は多くて4個ほどが短い花序に下向きにつくが、葉に隠れて目立たない。
つぼみの時は紫色を帯びているが、花冠が開くと真っ白になる。 
撮影:(2003.5.18 宮崎市)
画像4 ガクは紫色で浅く5裂する。花冠は1cmほどの高杯形で大きく5裂して反り返る。
撮影:(2003.5.18 宮崎市)
画像5 花冠の外側は無毛だが内面は白い軟毛に覆われて、オシベ5個と花柱は見えにくい。
撮影:(2003.5.18 宮崎市)
画像6  木の高さは普通1.5mほどで幹の太さもせいぜい指の太さ 、
    横枝を長く伸ばして葉を広げ頭上からの光を受け止める。
撮影:(2007.11.11 木城町)
画像7 上から見た果枝の広がり、瑠璃色の果実は見えにくい。 撮影:(2007.11.11 木城町) 画像8 下から見上げた果枝、葉腋にかたまる果実は普通1〜4 個。 撮影:(2007.11.20 木城町)
画像9 アップの果実。直径9ミリほどで先端にガク片が残る。  撮影:(2007.11.11 木城町) 画像10 液果には長さ5ミリほどのギョウザ形の種子が4〜5個ある。 撮影:(2007.11.20 木城町)
画像11 葉は対生して枝先ではハの字に展開し、側脈は大きく曲がって葉縁に沿って長く伸びる。
撮影:(2007.11.11 木城町)
画像12 長さ5〜7ミリの毛の多い葉柄の基部には、見えにくいが3角状の小さな葉間托葉がある。(画像16参照)。 撮影:(2007.11.11 木城町)
画像13 幹は緑色を帯びて平滑、節の下部には毛が残るが、やや太くなる下部では見えない。
撮影:(2007.11.11 木城町)
4画像14 14cmほどにもなる葉は革質で硬く、先端は細く長く伸びてやや下側に反る。葉縁の脈は長く平行する。 撮影:(2007.11.11 木城町)
画像15 葉の下面の脈は明確。主脈や側脈の毛は後まで残る。 撮影:(2007.11.11 木城町) 画像16 枝の毛がはっきりし、サツマルリミノキの特徴を示す。 撮影:(2007.11.17 木城町)
画像17 (参考) ルリミノキの葉。生育環境も同じで違いは殆ど感じられない。
撮影:(2007.11.17 宮崎市)
画像18  (参考) ルリミノキの葉。この時期、葉柄は殆んど無毛で違いが一目で分かる。
撮影:(2007.11.17 宮崎市)
画像19 (参考)ルリミノキの葉の下面。主脈や側脈にもこの時期には殆んど毛がない。 
撮影:(2007.11.17 宮崎市)
画像20 (参考)ルリミノキの小枝にも毛はないので小さな葉間托葉もよく分る。
撮影:(2007.11.17 宮崎市)
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