FILE NO 451 宮崎と周辺の植物
サワギク Senecio nikoensis Miq.
沢菊 キク科
撮影日 2013.6.14
撮影場所 宮崎市

  北海道~九州までの山中の湿った林内に生える軟弱な感じの多年草で、宮崎ではある程度標高のある林内で見られるが、やや少ない部類に入る。鹿児島県の高隈山が南限と言われる。
 沢菊の沢は湿り気のある林内に自生する意味だが、別にボロギクとも呼ばれるのは、花の終期から果期にかけて白い冠毛の果実が小集団になって纏わり付いた様子からではなかろうか。
 見るからに柔らかそうで山菜になりそうな気がするが、食べてみた話はあまり聞い事がない。
画像1 高さ80cmほどの花株、もう白っぽい小さな果実集団が見える
画像2 花序は枝先に長さ3cmほどの小花柄が散房状にひらいて、
     小さな黄色い花をつける。薄暗い林内でも案外と目につく。
撮影:(2003.5.24  宮崎市) 
画像3 終期の花序で、頭花の黄色い舌状花が取れて落ち始め、
    一部は果実になって白い冠毛が果序の間に見えている。
撮影:(2013.6.15 宮崎市) 
画像4 枝先に散房状についた10個内外の頭花は長さ3cmほどの小花柄状の柄先につく。
撮影:(2013.6.14  宮崎市 )
画像5 頭状花は12~13個ほどの舌状花に囲まれるが、大きさは差し渡し1cm強と小さい。
撮影:(2003.5.24  宮崎市)
 
画像6 細い柄部は微細な毛があるが、総苞は無毛で基部が少し膨らんでいる。 
撮影:(2013.6.15  宮崎市) 
  画像7 総苞片は一列で13個内外、長さ5ミリほどで皆同長。上部では筒状花の冠毛が見える
撮影:(2013.6.15  宮崎市) 
画像8 茎は全体が柔らかく羽状深裂の葉を10個ぐらいまで互生する。高さ1mにもなる株は未だ見たことがない。撮影:(2013.6.14  宮崎市) 画像9 茎は淡緑色で細く、上部は無毛で茎葉の基部近くは赤褐色をしている。
撮影:(2013.6.14 宮崎市) 
 
画像10 葉の上面。両面ともほぼ無毛。1~2個の単純な鋸歯があり、縁にはごく小さな毛が鋸歯状に出ている。 撮影:(2013.6.14  宮崎市) 画像11 成葉下面。主脈と、羽状片の隆起した中央脈には疎らな白毛が出る。葉の長さはほぼ10cmほど。 撮影:(2013.6.14 宮崎市)
 
画像12 茎上部の葉柄部。茎は明確な稜があってほぼ無毛。小黒点は撮影時の汚れ。
撮影:(2013.6.14 宮崎市)  
  画像13 茎の下部は粗い白毛が密生する。下部の茎葉には葉柄部に白毛が目立つ。
撮影:(2013.6.15 宮崎市)  
 
画像14 果実になり始めた頃の冠毛の小集団。その気で見れば襤褸菊という感じがする。
撮影:(2013.6.14 宮崎市)
  画像15 果実は長さ1.5ミリほどで冠毛の長さ約6ミリ、円形に開いた冠毛は差し渡し1.2cmの大きさ。 撮影:(2011.7.21 宮崎市)  
トップへ 科名リストへ