FILE NO 189 宮崎と周辺の植物
サワルリソウ Ancystrocarya japonica Maxim.
沢瑠璃草 ムラサキ科
撮影日 2009.6.27
撮影場所 県北部

 ルリソウという名がつくものの1属1種のサワルリソウ属と、他のルリソウ属やオオルリソウ属では花の形も含めかなり違いが大きいが、茎の先端で大きく曲がる花序に花が偏る特徴はムラサキ科独特のものである。
  関東以西、四国、九州に自生するという多年草で、宮崎では北部山地の限られた地域で確認されているようだが、この場所の花は全て白花ばかりだ。
 属名の「Ancystrocarya」は鈎+堅果の意味で、果実の先が曲がっていることを示し、種小名は日本の特産種を意味する。
画像1 薄暗い林内の一角に生きる僅かな株にひっそりと咲く花  
画像2 草丈約45cm、直立茎に枝はなく全体に硬い短毛がある。 撮影:(2001.7.1 県北部) 画像3 花序は茎先端近くで分岐し、その1つがさらに分岐して伸びる。 撮影:(2004.6.29 県北部)
画像4 長い花序は15cmほどにも伸びて軸の片側に片寄って疎らに花をつける。
        花は長さ約1.5cmで浅く5裂して少し開き、ガクは深さ約3.5ミリの5片に裂ける。
撮影:(2009.6.27 県北部)
画像5 汚れて閉じかけた花冠。ガクにも花冠にも短毛が密生する。 撮影:(2009.6.27 県北部) 画像6 オシベは5個で、花筒基部近くについて花糸はごく短い。 撮影:(2009.6.27 県北部)
画像7 葉は15cmほどの長楕円形で、基部と先端は徐々に細くなる。 撮影:(2007.9.20 県北部) 画像8 ざらざらした葉の表面には細かく硬い小突起がある。 撮影:(2007.9.20 県北部)
画像9 葉の下面。全縁の葉の基部はだんだん細くなり柄は無い。 撮影:(2007.9.20 県北部) 画像10 葉の下面にある伏毛。脈ははっきりと下面に隆起する。 撮影:(2009.6.27 県北部)
画像11 株を上から見た画像。真っ直ぐに立ちあがった茎に互生する葉が
    全方向に広がり、茎先端から花序が180度に大きく開いている。
撮影:(2009.6.27 県北部)
画像12 硬い伏毛が密生した茎まで徐々に細まって続く葉の基部。 撮影:(2009.6.27 県北部) 画像13 花序の軸とガク片下面にもごく短い硬毛がある。 撮影:(2005.8.7 県北部)
画像14 果実は4個の分果からなるが、普通1個だけが成熟する。撮影:(2007.9.20 県北部) 画像15 灰白色に熟した分果。長さ約1cmで先が鈎状に曲がる。 撮影:(2009.4.26 県北部)
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