FILE NO 647 宮崎と周辺の植物
シキミ Illicium anusatum L
シキミ科
撮影日 2010.2.20
撮影場所 県中部

 
宮城県以西〜琉球、台湾、朝鮮半島、中国〜亜熱帯地域に広く分布する常緑性の小高木で、県内でも山地に珍しくない樹だが、市内公園や墓地等にも植えられている。
 宮崎でも神前にはサカキを、仏前にはシキミを上げるのが一般的で、県北の一部地域では20年以上も前からシキミ栽培が盛んに行われている。
 万葉集にも出てくるほどの知られた樹だが、貝原益軒の「大和本草」には、「毒木なり其の実を食べれば死す シキミとは悪しき実なり・・・」とあり、また樒の字日本にシキミと読む順和名にも亦シキミと訓ス・・・とある。
 宮崎の山間地では盆花に使うという。(宮崎の植物民族覚書)
画像1 山地の林縁で開花間近の蕾。市街地にある植栽木ではすでに開花している。    全体、特に果実に猛毒がある。
画像2 登山口付近にある若木の淡紅色を帯びた花、花被片は
     少し紅がかって普通の白色に比べてやや雰囲気が違う。
 撮影:(2007.4.6 県西部)
画像3 高さ3mほどの樹。普通は4〜5mの樹高が多いが、
        山地の競争の激しい環境では10m近くある樹も珍しくない。
撮影:(2005.4.9 県西部)
画像4 花は葉腋について葉陰になるが、差し渡し2.5cmほどの白い花は遠くからでも良く目立つ。
撮影:(2007.4.6 県西部)
画像5 花は花被片(花弁、ガク片)12個ほどが螺旋状について、内側につく方が細長い。
撮影:(2007.4.6 県西部)
画像6 オシベは20個ほどが花披片に沿って開き、メシベ8個は内部を守るように集まる。
撮影:(2005.4.17 県中部)
画像7 花披片は早めに落ちるので内側のオシベ、メシベの様子が観察しやすい。
撮影:(2007.4.6 県西部)
画像8 花柄は長さ約2〜3cm、花被片は外側の方が幅が広くて短い。基部に早落性の苞がある。
撮影:(2007.4.6 県西部)
画像9 蕾の時は花柄は殆ど無い。開花寸前の蕾の大きさは長さ1.2cm。
撮影:(2010.2.20 県西部)
画像10  互生する葉は枝の上部につくが比較的枝先に多く集まり、
 厚みはあるが成葉の縁は少し捩れることが多い。  
撮影:(2005.4.9 県西部)
画像11 両端が細まった長楕円形の葉は2cmほどの葉柄を含めて長さ約10cm、深緑色、革質で中央脈だけが目立つ。 撮影:(2005.4.9 県西部) 画像12 葉の下面を光方向に向けた画像だが、透視性は無くて側脈は殆ど見えない。油点のあるのが僅か見える。 撮影:(2010.2.20 県西部)
画像13 若い枝は滑らかな艶のある淡緑色だが、徐々に皮目が縦に発達して黄褐色を帯びる。
撮影:(2010.2.20 県西部)
画像14 樹幹は樹皮に縦に浅い筋が入った灰褐色となるが、表面は全体が平滑。
撮影:(2003.3.23 県西部)
画像15 果実は葉と同じような色で葉陰について目立たず、よほど注意しなければ判らない。
撮影:(2007.8.4 県西部)
画像16 果実はかぼちゃの形になって大きさ約3cm、宿存した8個の柱頭が鉤状に尖る。
撮影:(2007.8.4 県西部)
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