FILE NO 605 宮崎と周辺の植物
シオデ Smilax riparia A. DC. var ussuriensis (Rgel) Hara et T. Koyama
牛尾菜 ユリ科
撮影日 2008.7.12
撮影場所 高千穂町

 北海道から九州、朝鮮半島、中国に分布するつる性の多年草。山野の林縁等に生え、東北地方では横綱級の山菜として有名で、山のアスパラガスとして特に好まれるそうだが、宮崎では山菜として利用する話はあまり聞かない。
 シオデと呼ばれるようになった由来のいくつかの説もいまいち決め手に欠ける気がするが、画像3の連想から来た漢名の牛尾菜が日本語の発音の中で変化したことは考えられる。
 農政全書では荒政草部に食べ方の記載があると聞く。
 よく似たタチシオデは別ページを作成しているので参照されたい。
画像1 周囲が開けた草原の中、2m範囲ほどに伸びて広がった蔓。葉柄基部から托葉の変形した巻きひげを自在に伸ばして自他に絡む。 雌雄異株の小型のつる植物。
画像2 日陰になった林縁の水路脇の蔓、周囲の草木に紛れて見にくいが
      花の時期になると雄株には小さな球状の白っぽいオバナが目立つ。
撮影:(2008.7.5 川南町)
画像3 この時期草原の中でハギに負けないほどの高さ1mほどに伸びた蔓。
      上下は逆だが、牛の尻尾に似ているといわれればそのようにも見える。
撮影:(2007.6.17 高千穂町)
画像4 オバナ。花は散形花序(花序軸の先端1点から四方に花柄が伸びる)で全体約4cm大の球状になる。撮影:(2008.7.5  川南町) 画像5 オバナの開花初期、まだ反り返らない長さ5ミリほどの花被片が見えるが、花被片が反り返るのが特徴。撮影:(2008.7.12 高千穂町)
画像6 オバナのオシベは6個。オシベの花糸先端についた長めの葯は釣針状に曲がっている。花柄は長さ2cm以上はある。 撮影:(2008.7.5 川南町) 画像7 メバナ。花被片の長さはオバナの半分でやはり反り返る。緑色のメシベ先端の柱頭は3裂して反り返る。 撮影:(2008.7.12 高千穂町)
画像8 互生する葉は葉柄が1〜2cm、葉先は細く長く突き出る。撮影:(2008.7.5 川南町) 画像9 (参考)タチシオデの葉先は尖り、葉柄は長さ2〜3cm。 撮影:(2008.7.12 高千穂町)
画像10 葉の下面。淡緑色で主脈、側脈、支脈が浮き出て良く見える。 撮影:(2008.7.6 川南町) 画像11 (参考)タチシオデの成葉下面。全体が白くて脈が見えにくい。 撮影:(2008.7.12 高千穂町)
画像12 シオデの葉先。細長く突き出す傾向が強い。 撮影:(2008.7.12 高千穂町) 画像13 (参考)タチシオデの成葉の下面の見え具合。撮影:(2008.7.12 高千穂町)
画像14 葉柄には側脈からつながる小さな溝があり、その縁には刺状の小さな突起が出る傾向が強い。撮影:(2008.7.6 川南町) 画像15 (参考)タチシオデの葉柄も同様の溝があるが、突起状のものはあまり見られない。
撮影:(2008.7.12  高千穂町)
画像16 蔓に葉稜が目立つ。
撮影:(2008.7.12 高千穂町)
画像17 (参考)タチシオデの蔓には目立った稜は見られない。  撮影:(2008.7.12 高千穂町)
画像18 果実は直径1cmほどの液果で、初めの緑色から熟すと緑がかった黒色になる。
撮影:(2006.9.24 高千穂町)
画像19  やや緑みを帯びて黒く熟した果実の時期には、すでに葉は枯れて見えない。
撮影:(2007.11.11 川南町)
画像20 (葉柄基部周辺の位置関係) 右方向に伸びる稜のある蔓から
    直角に出た葉柄基部から左右に出た巻きひげと、葉柄の腋
 から1本斜めに伸びた稜のある細い花柄が見える。
撮影:(2008.7.6 川南町)
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