FILE NO 330 宮崎と周辺の植物
シラネセンキュウ Angelica polymorha Maxim.
白根川きゅう セリ科
撮影日 2004.10.17
撮影場所 高千穂町

  シラネセンキュウは文字通り栃木県の白根山に因んで名付けられたセンキュウに似たセリ科の植物で、センキュウのセンは川、キュウは草冠の下に弓と書く漢方薬では有名な生薬からきているが、センキュウと違ってこちらは生薬としては使用されていない。
  属名の「Angelica」はエンゼル、天使からきており、セリ科シシウド属には薬効のある種が多いことを物語っている。
画像1 日本では本州から九州まで林縁等に幅広く生える多年草で、
宮崎でも低地から高地まで県内広く分布している。
一名スズカゼリ(鈴鹿芹)ともいう。
画像2 少し山手に入った湿り気のある林道脇等でよく見かけるが、以外と日当たりの良い場所にも群生していることがある。一つの花序の花は丸く笠状になって差し渡し10cmほどにもなる。
(撮影:2001.10.27 田野町)
画像3 花は複散形花序につき、白い花弁5個は広い倒卵形で先は目立つほど切れ込んでやや内側に曲がる。雄しべは5個。花は周囲から咲き始める。
丸まった固まりの花は20〜40個ある。果実は扁平で長さ約4ミリと小さい。
画像4 茎は中空、花軸には縦に低い稜がある。
枝先の複散形花序には不揃いの5cm内外の花軸が20個以上ついてその先に小花軸をつける。
画像5 画像4の花軸の先にさらに小花軸がそれぞれ20〜40個つき、花はその先に一個ずつ咲く。小総苞片は小花軸と同長、線形で数個つく。
画像6 茎の上部になるほど葉柄は大きくふくらんで広披針形のふくろ状になり、葉の方は葉身が縮小して小さくなる。(撮影:2004.10.23 野尻町) 画像7 葉は柔らかく3〜4回の羽状複葉で、それぞれの小葉は卵形〜狭卵形、縁には鋸歯が出る。
(撮影:2004.10.23 野尻町)
画像8 3〜5cmほどの長さの小葉の葉表。
鋸歯は羽状に浅く切れ込んむが大きく切れて3裂状になることもある。 (撮影:2004.10.23 野尻町)
画像9 葉裏は白身をおびて葉脈は鮮明で鋸歯の先は多少尖る。植物全体は無毛だが全体に変化が大きい。(撮影:2004.10.23 野尻町)
画像10 茎の上部で肥大した葉柄と縮小葉。
(撮影2004.11.3 野尻町)
画像11 未熟な果実。長さ3ミリほどで先に2花柱が残る。中央の扁平な翼が2分果の合生面で熟すと半分ずつに分れる。背面には3つの肋がある。
(撮影2004.11.21 田野町)
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