FILE NO 457 宮崎と周辺の植物
シロダモ  Neolitsea sericea (BL.) Koidz.
白だも クスノキ科
撮影日 2007.11.4
撮影場所 宮崎市田野町

  (葉の裏が)白いたもの意味といわれるが、そのたもが判らない。アオダモ(コバノトネリコ)があり、北の方ではハルニレのことを、南のほうではタブノキのことを、たもと呼ぶらしいが、共通点は高木になることぐらいの気がする。
  種小名「sericea」は、絹毛状のを意味して、開き始めの新葉の特徴(画像12)を表現して判りやすい。
  山形、宮城県以南琉球から中国にまで分布、県内では海岸沿いから山地まで各地で幅広く見られる。
画像1 果実と花が同時に見られる雌雄異株の常緑高木で、枝も緑色をして赤い実を引き立てる。
画像2 花が開く10〜11月、昨年受粉した果実が1年かけてようやく熟し、
     花の時期に合せるように赤くなって、薄黄、濃緑に混じって見える。
撮影:(2007.10.27 西米良村)
画像3 雄花序のついた枝。枝が見えないほどに花をつける樹も珍しくない。葉は枝先に集まる。
撮影:(2007.11.4 宮崎市田野町)
画像4 ぎっしりと花で覆われた枝は、オシベが外に開いて薄黄色になり、遠くからでも見える。 
撮影:(2001.11.23 宮崎市)
画像6 雄花直径は5ミリほど。花被片は4個、オシベ6は内外に別れ、基部に黄色い腺体2と白い退化メシベが見える。 
撮影:(2007.11.4  宮崎市田野町)
画像7 雄花の花被片は平開して、傾いたオシベが花被の外へ飛び出す。長さ4ミリほどの小花柄には黄色い毛が密生する。
撮影:(2007.11.4 宮崎市田野町)
画像7 雌花は雄花より小さいが、白い柱頭が遠くからでも目立つ。総苞片は広楕円形。
撮影:(2007.10.27 西米良村)
画像8 雌花は、メシベ1と退化して線状になった仮オシベ6がある。花被の裂片の先は尖る。
撮影:(2007.10.27 西米良村)
画像9 高さは4mほどだが大きいものは10m近くになる。新葉が下垂するので似た木とはすぐに区別できる。 撮影:(2007.12.23 宮崎市内海) 画像10 新葉は展開後一斉に下垂し、浅緑色の上面に混じって、裏返って白味を帯びた下面が目立つ。撮影:(2002.5.21 高原町)
画像11 硬くなった成葉は互生して枝先に集まり、濃緑色で長さ15〜17cmほど。側脈は最下部の1対が大きく長い。 撮影:(2007.11.4 宮崎市) 画像12 新葉の展開時は銀灰白色の絹毛に覆われて美しいが、成葉になると毛は落ちてしまう。
撮影:(2007.3.6 宮崎市)
画像13 葉の下面。葉は全縁で先は細く尖る。
下面はロウ様物質のもので灰白色になる。
撮影:(2007.10.27 西米良村)
画像14 葉下面の拡大。中央部の右を少し指で引っ掻いてロウ質様物質を取り除いて見た。
撮影:(2007.12.23 宮崎市内海)
画像15 葉柄は長さ3cmほどあり、僅かに絹毛が残るが目立たない。
撮影:(2007.12.23 宮崎市内海)
画像16 冬芽は長楕円形で、毛のある黄褐色の鱗片で保護されている。
撮影:(2007.12.23 宮崎市内海)
画像17 樹皮は淡灰褐色で小さな皮目が沢山ある。縦の濃線は雨が流れて濡れた跡。
撮影:(2007.12.23 宮崎市内海)
画像18 果実は翌年の晩秋に赤く熟し、濃緑色の葉の間から目につく。
撮影:(2007.11.4 宮崎市田野町)
画像19 果実は長さ1.2cmほどの楕円形で、先端に柱頭の痕跡が残って小さく尖る。
撮影:(2007.12.23  宮崎市内海)
画像20 種子は1個。黄褐色の球形で直径約8ミリ。含まれる油分をつづ油と呼び昔は灯用に利用したという。  撮影:(2007.12.23  宮崎市)
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