FILE NO 720 宮崎と周辺の植物
シチトウハナワラビ Botrychium atrovirens (Sahashi) K. Iwats.
七島花蕨 ハナヤスリ科
 
撮影日 2018.2.07
撮影場所 宮崎市
  多くの図鑑では伊豆諸島に固有のシダと書かれているが最近の研究でこれまで混同されていたオオハナワラビとは鋸歯や葉質が違うとして別種となり、オオハナワラビが分布している 伊豆諸島、関東地方以西部以西、四国、九州、屋久島、朝鮮半島にまで分布範囲が広がっているという。
  宮崎でも各地で確認されると共にオオハナワラビとの雑種等もあっていよいよ見分けが困難になり、今回のページもシチトウハナワラビに近いと作者が判断して取り上げたもので、両者の明確な線引きは難しい。
   オオハナワラビの再点検が必要。
画像1 登山道わきの緩く傾斜した浅い杉山の中、全体の高さ約50cm。 冬緑性で秋から春に出現する。
 画像2 午前中の僅かに陽の当る渓谷沿い遊歩道脇、開いた栄養葉と胞子葉。
撮影:(2013.10.17 宮崎市)
 
画像3 地面少し上で胞子葉と分岐した栄養葉は三角状五角形に見える。
       葉柄から出た3つの羽片が羽状に深裂、左右の側羽片の先端と先
     端との間を計ると23cmほどある。 撮影:(2018.2.7 宮崎市) 
画像4 葉はやや厚い革質で暗緑色、裂片の縁の鋸歯は鋭さがない。
     種小名「trovirens」は暗緑色の の意味で栄養葉の色を示す。
撮影:(2018.2.7 宮崎市) 
 
画像5 羽片基部の表面。羽片全体が暗緑色、羽軸や小羽軸に隆起したラインがある。
撮影:(2018.2.7 宮崎市) 
画像6 小羽片の表面。裂片の縁の鋸歯がやや上向きに反るので葉面は平らな感じがしない。
撮影:(2018.2.7 宮崎市) 
画像7 羽片の下面。小羽片は先端近く以外は殆ど深裂する。 撮影:(2018.2.7 宮崎市)  画像8 小羽片の先端部。軸部は下面側も中央が隆起する。 撮影:(2018.2.7 宮崎市) 
画像9 小羽片裂片の拡大画像で、特徴的な裂片の縁の鋸歯の尖り具合。
撮影:(2018.2.7 宮崎市) 
 
 
画像10 地上部の少し上で栄養用と胞子葉が分岐、栄養葉は約20cmの高さで葉を開く。胞子葉は地上部34cm辺りで葉を展開しその穂の高さ約16cm。
撮影:2018.2.7 宮崎市) 
  画像11 葉柄は地面から3~4cmほど上で栄養用と胞子葉とに分岐して真っ直ぐ上に伸びる。色は淡利休色で灰色の毛がまばらに生える。
撮影:(2018.2.7 宮崎市) 
 
画像12 葉柄の羽片分岐部。灰色の柔らかい毛が生える。 撮影:(2018.2.7 宮崎市)    画像13 小羽片の下面にも灰色の柔らかい毛がごく、疎らに生える。 撮影:(2018.2.7 宮崎市) 
 
 画像14 胞子葉の葉序で、高さ約16cm。1~2回羽状に分岐して枝に直接(胞子嚢)をつける。時期を過ぎて胞子嚢はほぼ全部が裂開している。
撮影:(2018.2.7 宮崎市) 
   画像15 円錐状に開いた葉序の一部で、この時期 小枝についた胞子嚢は殆どが残がいとなり、中央近くに一部未裂開の球状の胞子嚢が見える。
撮影:(2018.2.7 宮崎市) 
画像16 冬緑性のシダなのでこ時期(10月17日)栄養葉が展開して胞子葉が開く。
撮影:(2013.10.17 宮崎市)
 
 
 画像17 胞子嚢は胞子葉の小枝に直接ついて直径1ミリ強の球形で熟すと上下に裂開する。
撮影:(2018.2.7 宮崎市)
   画像18 胞子嚢が上下に裂開して中に保護されている胞子が見えてくる。
撮影:(2018.2.7宮崎市)
  画像19 (参考) オオハナワラビ(的)の全形。 撮影:(2012.3.3 綾町) 
画像20 (参考) オオハナワラビ的形態が強いもの。小羽片は広披針形で
      先端に向かって次第に細くなって鋭頭。裂片は狭楕円形で鋭頭、
   辺縁は鋭鋸歯~不規則な波形。  撮影:(2012.3.3 綾町) 
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