FILE NO 69 宮崎と周辺の植物
スズコウジュ Perillula reptans Maxim.
鈴香薷 シソ科
撮影日 2010.10.12(全画像)
撮影場所 県央部

 
愛知県以西~四国・九州~琉球まで分布するという日本特産のシソ科スズコウジュ属の1属1種の多年草で、湿った日陰に生える。
 宮崎でも画像のようにコケの生えたような環境で見られるが、自生ヶ所はそれほど多くはない。
 和名は名前のとおり鈴のような形をした花が咲くコウジュの意味だが、中国雑草原色図鑑(企画編集:日本植物調節剤研究協会・中華人民共和国農業部農薬研究所、発行者:廣田伸七、発行所:全国農村教育協会、2000.7発行)に写真付きで香薷が記載されており、和名ナギナタコウジュと説明されている。
 分布域の偏りや、薄暗い場所の小さな白い花が撮影しにくいせいか、記載がない図鑑等も多い。
画像1 左方は水の滴る道脇の小崖。群生した高さ20cm前後の株の花。
画像2 茎の上部で総状花序に展開した段状の花は真っ白で下向きに咲く。
     花序軸の上の方には、花冠が落ちて片の先が尖ったガクが見える。
    撮影:(2010.10.14 県央部
画像3 花の近接画像。先が切れ込んだ右の花冠は開いた幅が7ミリほど。
   花柄は長さ約5ミリ、5裂したガクに太い条線が伸びて細く尖る。
撮影:(2010.10.14 県央部
画像4 下向きの花冠を見上げると、上唇側は2裂、下唇側は3裂しさらに左右の裂片は浅く2裂している。
撮影:(2010.10.14 県央部
画像5 花冠の一部を破って見える内部。 オシベ4は短く、花柱1は花冠より少し突き出る。
撮影:(2010.10.14 県央部
画像6 全体の草形。高さ約25cmほどで対生する葉が疎らに出て茎頂に5~8cmほどの花序が立つ。
撮影:(2010.10.14 県央部
画像7 茎葉のうち、花序に繋がる最上部の茎から出る葉は2~3対が集まるように出て輪生状に見える。
撮影:(2010.10.14 県央部
画像8 葉は先の尖った卵形で基部が楔形になって葉柄に流れる。 撮影:(2010.10.14 県央部 画像9 葉上面には荒い白毛があって指で触るとざらざらする。 撮影:(2010.10.14 県央部
画像10 葉の下面。大振りな鋸歯は粗くて太い脈が目立つ。 撮影:(2006.11.11 県央部 画像11 葉の下面では、葉柄と脈上に荒い毛が散生する。 撮影:(2010.10.14 県央部
画像12 茎葉の葉柄は長さ2cm前後。茎は方形で白毛が密生する。 撮影:(2010.10.15 県央部 画像13 茎の最上段の葉は対生葉が短間隔に出て葉柄も約1cmと短い。 撮影:(2010.10.15 県央部
画像14 花冠とガク。開花時のガクは裂片の長さの違いがそれほど目立たない。ガクは上下2唇で上が3裂、下が2裂する。 撮影:(2010.10.14 県央部 画像15 花が終わった後のガクと花時のガク。花冠落下後のガクは大きくなって下唇部も伸びる。
撮影:(2010.10.14 県央部
画像16 果実。花冠落下後のガクを破って見た未熟な果実。ガク内部には白軟毛がある。
撮影:(2010.10.14 県央部
画像17 果実は長さ2ミリ弱の長楕円状で、2個に見えるが掌上に乗せると4分果を確認できる。
撮影:(2010.10.14 県央部
トップへ 科名リストへ