FILE NO 488 宮崎と周辺の植物
スズムシバナ Strobilanthes oliganthus Miq.
鈴虫花 キツネノマゴ科
撮影日 2012.9.12
撮影場所 高鍋町

 近畿地方以西本州、四国、九州鹿児島県大口市辺りまでと、朝鮮南部、中国の中部地域に分布するという多年草で、宮崎ではやや希ながら県下全体に広く自生している。
 元々はスズムシソウと呼ばれていたものが、ラン科のスズムシソウとの混乱を避けるためにスズムシバナと呼ばれるようになったそうだが、いつ頃からかは分からない。
 スズムシが鳴く季節に花が咲くからスズムシバナ(ソウ)になったとも言われるが、成る程というほどの説得力は無い。
画像1 少しだけ日のあたる山道の脇で人知れずひっそりと咲いた花
 画像2 45cm程の草丈で花は1個だけ、種小名「oliganthus」が花の少ない
       を意味するとおり、少数出す枝も含めて株の花数は多くて3個ほど。
撮影:(2012.9.12 高鍋町) 
 
 画像3 花は枝先の葉間から出て、基部は葉の隙間に隠れて見えにくい。
撮影:(2004.9.13 宮崎市)  
画像4 紫色の花冠は長さ約4cmで弓状に曲がって先は浅く5裂する。外面には毛がある。
撮影:(2012.9.12 高鍋町) 
画像5 開いた花冠裂片は差し渡し2cmほどで、先はさらに浅くへこむ。中に長さの違うオシベ4個が見える。撮影:(2012.9.12 高鍋町) 
画像6 オシベ4個は長短2個ずつあって、長い方のオシベでも花冠の内部に納まるほどの長さ。
撮影:(2012.9.12 高鍋町) 
画像7 花冠の側壁を一部破いた画像。オシベは花冠側壁についている。花糸には白毛がある。
撮影:(2012.9.12 高鍋町) 
 画像8 葉は対生するが、茎先端部の若い葉は間隔が詰まって
      輪生状になり、葉下半部の白い多細胞の毛が目立つ。
撮影:(2012.9.12 高鍋町) 
     
画像10 葉は三角状の広卵形で、葉柄は2.5cmほどだが長短変化する。基部は葉柄に流れる。
撮影:(2004.9.13 宮崎市)
  画像10 茎は角のはっきりした方形で節や稜には特に毛が多い。節では葉柄基部が少し膨らんで茎を取り巻く。 撮影:(2004.9.13 宮崎市)
     
画像11 葉の葉身部の形状は変化が多いが長さ6cmほどで、上面の脈上には短毛が密生する。
撮影:(2012.9.12 高鍋町) 
画像12 葉の下面。隆起した脈間を不規則に横に走る隆起線が浮き出る。
撮影:(2012.9.12 高鍋町) 
     
画像13 葉の下面基部。脈上には毛が多い。側脈間には独立した短い隆起線が出る。
撮影:(2012.9.12 高鍋町)
  画像14 葉の下面。茎上方の葉では葉柄から葉の基部にかけて長短ある白い毛が目立つ。
撮影:(2012.9.12 高鍋町)
     
 画像15 果実は晩秋、葉が傷みだす頃に見え始める。 撮影:(2011.10.31 小林市)    画像16 果実は長さ1cm強の両端が細くなった手榴弾型。撮影:(2011.10.31 小林市)  
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