FILE NO 342 宮崎と周辺の植物
タンキリマメ Rhynchosia volubilos Lour.
痰切豆 マメ科
撮影日 2010.1.6
撮影場所 県中部

 
千葉県~琉球までの西南日本と、朝鮮~中国、フィリピンに分布するという蔓性のマメ、宮崎でも田畑周辺の草地や里山の林縁に普通。
 和名は字の如く、葉と豆を煎じて飲めば咳の時に痰を止める効果があるからと云うそうだが、和漢三才図会(寺島良庵 1712年 島田勇雄ほか訳注 平凡社東洋文庫)の巻百四には、伝えによれば穭豆は良く痰を通すので痰切豆というが、「本草綱目」に効能の記載はなく、本当にきくかどうかは分からないと記載されている
薬草事典にも記載はない。
画像1 海近くの道脇の藪、巻きついた草木が枯れて目立つ黒い果実。 
画像2 環境が良いせいかダンチク、ススキ類に巻きついたヤマノイモ、ヘクソカズラに
    混じって絡んだタンキリマメ。地味な黄色の花は明るい太陽の下で目立たない。
        撮影:(2007.2.18 県中部)
画像3 蔓は四方に広がるような伸び方はしないが、複雑に絡み合った蔓を基部から
    先まで延ばしてみると長さ2~2.5mほどになり、変形した扇状の葉が特徴的。
撮影:(2008.8.3 県中部)
画像4 花序は葉腋から5cmほど伸びて小さな蝶形花を総状につける。 撮影:(2007.2.18 県中部) 画像5 黄色い花は長さ1cmほど、ガクには短い軟毛が密生し腺点がある。 撮影:(2010.1.6 県中部)
画像6 花が終わると花序は倍近くに伸びて10個内外の豆果をつけるが、熟す間に少しづつ落ちてゆく。
撮影:(2007.2.18 県中部)
画像7 豆果は中に種子2個があると判る括れた楕円状で、赤熟すると白い短毛が目立つ。
撮影:(2010.1.6 県中部)
画像8 3小葉は種子の時期、長さ3~4ミリの小葉柄に繋がる小葉基部が
      内側に曲がって葉面は上を向かず、内部に何かを囲うように見える。
   葉は扇を広げて両角を丸くしたようで上半部が最大幅となる。
      葉は長さ3.5cm、最大幅3cmほどで、基部から伸びる3脈が目立つ。
 撮影:(2010.1.6 県中部)
画像9 果実(豆果)は長さ1.5cmほどで中間部が少し括れて赤熟する。 種子は長さ約4ミリの変形した楕円形。
撮影:(2010.1.6 県中部)
画像10 熟した豆果はやがて裂けるが、黒く光沢のある種子2個は左右の縁についたまま落ちずに残る。
撮影:(2010.1.6 県中部)
画像11 3小葉の内では頂小葉が最大で主脈左右の変形度も少ない。 撮影:(2010.1.6 県中部) 画像12 葉は両面とも手で触ると柔らかく感じる短い軟毛が密生する。 撮影:(2010.1.6 県中部)
画像13 3小葉を下面側から見た画像。特徴のある平行脈が隆起する。 撮影:(2010.1.6 県中部) 画像14 小葉の下面。先端の尖り方は僅かに先が突き出る程度。 撮影:(20101.6 県中部)
画像15 葉下面の拡大。見えにくいが、黒っぽく見える小点は腺点。 撮影:(2010.1.6 県中部) 画像16 裂けた果実の表面の拡大画像で、黒っぽい小点は腺点。 撮影:(2010.1.6 県中部)
画像17 右巻きの蔓には下向きの毛が密生し、葉柄にも毛が多い。 撮影:(2010.1.6 県中部) 画像18 先端近くの蔓と葉柄基部の毛は斜上気味に立ち上がる。 撮影:(2010.1.6 県中部)
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