FILE NO 519 宮崎と周辺の植物
ツクバネソウ Paris tetraphylla A Gray
衝羽根草 ユリ科
撮影日 2008.5.22
撮影場所 県北部

 ツクバネソウは北海道から九州まで自生している日本の特産種だが、この仲間で葉の数が6〜8枚あるクルマバツクバネソウは樺太、シベリアから朝鮮、中国にまで分布しているという。
 宮崎では多くはないが分布範囲は広く、5月の照葉樹林を歩くと地味ながら特徴のある花が道脇で見られる。
 学名の「tetraphylla」は4つの葉の意味で、4輪生した葉に由来し、和名のツクバネソウも輪生葉を羽根突きの羽根に例えたといわれる。
画像1 地面から高いもので50cmほどの茎の先端に輪生する4枚の葉を広げ、そこから10〜15cmほど伸ばした花柄の先に上向きの花を1個つける。 茎と花茎はよく似ている。
画像2 花は、葉のように見える長さ約2cmの外花被片4個、長さ約1.3cmのオシベ8個
   球状の子房から出た紫色のメシベ花柱は4分枝して反り返る。内花被片はない。
撮影:(2007.5.10 県北部)
画像3 参考。中国雲南省で撮影した、クルマバツクバネソウの仲間「Paris polyphylla Sm.」
   と思われる花。針金状の内花被片6個が異様に長く、6分枝したメシベ花柱は小さい。
撮影:(2001.6.6 中国雲南省)
画像4 開花初期で、まだ外花被片が開いていない。メシベ花柱には疎らな毛がある。
撮影:(2007.5.10 県北部)
画像5 全景。輪生する葉は長楕円形で長さ約10cm、幅5.5cmほどで無柄、先は細く尖る。
撮影:(2005.5.14 県北部)
画像6 開花直前の花。外花被片に包まれたメシベ花柱を取り囲んだオシベの葯隔が見える。
撮影:(2007.5.10 県北部)
画像7 花を上から見ると放射状に長さ約1.3cmの8個のオシベと、4分枝した同長の黒紫色のメシベが見える。 撮影:(2007.5.10 県北部)
画像8 葉は無柄で基部は黒紫色。3脈があり縁は少し波打つ。 撮影:(2007.5.10 県北部) 画像9 葉の下面は脈が浮き出て、側脈が3脈をつないでいる。 撮影:(2007.5.10 県北部)
画像10 液果は直径約1cm、初めオシベの花糸に抱かれる。 撮影:(2005.8.7 県北部) 画像11 果実が黒く熟すにつれて花糸は徐々に外に開いてゆく。 撮影:((2006.9.21 県北部)
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