FILE NO 505 宮崎と周辺の植物
オオマルバノテンニンソウ Leucosceptrum stellipilum (Miq.) Kitam. et Murata var. tosaense (Mak..) Kitam.
大丸葉の天人草 シソ科
撮影日 2005.9.23
撮影場所 田野町

 ツクシミカエリソウ(筑紫見返り草)とも、トサノミカエリソウ(土佐の見返り草)ともいう。  茎の下部が木質化する半低木多年草で、高さ40〜60cmほどだが、場所によっては1m近くになるものもある。
 県内では南部地域を除いた山地の樹林下、林縁等に分布するが、県央部の山では標高900m辺りまで登ると道脇に出現してくる。
 多くの場合群生し、一帯がこの花で覆われる事も少なくないが、葉の方は虫食い状態になっている場合が多い。
画像1 茎の先端から円柱状の花序を伸ばして派手な花をつける。 和名については末尾に記載
画像2 周囲の草丈に応じて1m近く伸びた株。
撮影:(2001.9.23 五ヶ瀬町)
画像3 伸びだした蕾、うろこ状の苞が目立つ。
撮影:(2005.9.18 田野町)
画像4 高さ20cm近い花序は下から順に開花する。ここでは脇に2つの小さな花序が見える。
撮影:(2005.9.18 田野町)
画像5 下部は完全に開花、その上はオシベが伸び始め、さらに上はまだ苞に隠れている。
撮影:(2005.9.18 田野町)
画像6 苞は普通、花が落ちた後にも相当数が枯れたまま残る。撮影:(2005.9.23 田野町) 画像7 果実は最後まで残るガクの中で熟す。
撮影:(2004.10.16 田野町)
画像8 ガクは先が浅く5裂、花冠は筒状で先は浅く4裂し、オシベ、メシベは長く突き出す。
撮影:(2005.9.18 田野町)
画像9 花冠が3個づつ対生する形で密な段状に重なって咲く。オシベは4個で2個が特に長い。
撮影:(2005.9.18 田野町)
画像10 葉は広卵形で大きいものは長さ20cm、幅10cmになる。15cmほどの柄がある。
撮影:(2005.9.18 田野町)
画像11 葉は虫食いの状態、脈を残してきれいに葉肉を齧るのは、コガネムシの類らしい。
撮影:(2005.9.18 田野町)
画像12 葉の下面、網状の脈が顕著に出る。
撮影:(2005.9.18 田野町)
画像13 主脈を中心にして毛が目立つ。
撮影:(2005.9.18 田野町)
画像14 茎の下部は無毛で鈍い4角形、黒紫色で堅くて丈夫。撮影:(2005.9.18 田野町) 画像15 花序につながる茎はまだ星状毛らしき毛が残る。撮影:(2005.9.18 田野町)
(大丸葉の)天人草の意味について:牧野図鑑(牧野新日本植物図鑑、図鑑の北隆館、昭和46年26版)にも天人草の意味は何によるものか分からないと書かれているが、カラー野に咲く花1(山と渓谷社、丸山尚敏解説)には、虫に食われてボロボロになった葉が天人の着物とされている羽衣にたとえられて、それをまとった草だからテンニンソウというのだそうだとの記載があり、羽衣は破れ衣から出た名前であるとの説が紹介されているけれど、その出典には触れてない。
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