FILE NO 584 宮崎と周辺の植物
ツクシトウヒレン Saussurea nipponica Miq. var. Higomontana (Honda) H. Koyama
筑紫(唐)塔飛廉 キク科
撮影日 2007.9.20
撮影場所 県北部

  北海道jから九州まで各地の地名が頭についた多くのトウヒレンの中で、九州のものは近畿地域のオオダイトウヒレンの変種として皆同じツクシトウヒレンとされていたが、詳しい人の話では九州のトウヒレンには問題が多く、見直しの必要がありそうだという。
  ヒレンについては、和漢三才図会(寺島良安著 島田勇雄他訳注 平凡社東洋文庫16)に飛廉は漏蘆の一種で和名は曾曾木あるいは布保保天久佐ともいうとあるが、ヒレアザミのことらしい。 
画像1 九州の鹿児島以外の各県の山中に自生、宮崎では北部山地の一部で見られるが、あまり知られた花ではない。 学名は、九州植物目録(初島住彦 鹿児島大学総合研究博物館)による
画像2 ブナの生える山地で高さ1mほどになり上部で枝を出す。
     アザミに似た花は目立つが、全体に粗く逞しい感じがする。
 撮影:(2007.9.20 県北部 )
画像3 葉の変化は大きく、基部近くでは長い葉柄の大きな葉がついて全体に荒い毛が多い。
撮影:(2002.9.15 県北部)
画像4 茎の上部で枝を出して疎らに頭花をつけるが、蕾にも反り返った総苞片がよく目立つ。
撮影:(2007.9.20 県北部)
画像5  頭花はアザミに似ているが、花序を包む総苞片は刺にならないこと、
     個々の管状花から長く突き出た花柱の先が深く2裂すること等が違う。
  撮影:(2007.9.20 県北部)
画像5 総苞は高さ約1.7cm、その先に約1cmほどのメシベが伸びる。
撮影:(2007.9.20 県北部)
画像6 総苞片は3ミリほどの高さで5列、先は外向きに反り返って先は尖る。
撮影:(2006.9.21 県北部)
画像7 管状花(筒状花)は両性で、花冠の先は深く5裂して細く尖る。
撮影:(2006.9.21 県北部)
画像8 管状花は長さ1.7cmほど。冠毛は長さ約1cmほどで管状花の半分ほどの長さ。
撮影:(2007.9.20 県北部)
画像9 葉は極端に変化の幅が大きく、基部から段々小さくなる。 撮影:(2006.9.21県北部) 画像10 中部以下の茎に幅広い翼が目立つのが母種との違い。 撮影:(2006.9.21県北部)
画像11 翼は茎の幅より広くなることもあり、翼の狭い母種オオダイトウヒレンと区別できる。
撮影:(2007.9.20 県北部) 
画像12 葉は画像9のように変化が大きくて質はやや厚く、鋸歯の深さも変化が多い。
撮影:(2007.9.20 県北部)
画像13 葉の表面基部。短毛が密生し、葉柄には翼がある。  撮影:(2007.9.20 県北部) 画像14 葉の下面基部。脈上や縁には白毛が目だつ。  撮影:(2007.9.20 県北部)
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