FILE NO 585 宮崎と周辺の植物
ツタウルシ Rhus ambigua Lavall. ex Dipp.
蔦漆 ウルシ科
撮影日 2007.10.28
撮影場所 えびの高原

 秋の山々を彩る樹木の中で、ツタウルシはモミジ類には1歩譲るにしても、鮮やかな紅葉は文句なく美しい。
  敬遠とは孔子の論語が出典の便利な言葉だが、まさにこのツタウルシは、この時期に限らず敬遠したい植物の代表ともいえる。
 モミジは時に折り取って飾りにするが、ツタウルシの樹液や葉には強い皮膚かぶれを起こす、ラッコールなどが含まれるので、触れることのないよう遠くから眺めるのが無難だろう。
画像1 北海道から九州までの山地に広く自生する雌雄異株の落葉性蔓植物で、ウルシ科の中でこれだけが3出複葉なのですぐわかる。 花や果実の近接撮影は敬遠してます。
画像2 つる性だが、丈夫な枝を横に長く伸ばして木や岩を這い、殆んど
  目立たない花をつけ実を結び、紅葉する。漢名は鉤吻、野葛で
  和漢三才図会に記載するというが、毒草類最後の項で見る解説
    では同じものとは思えない。 撮影:(2007.10.28 えびの高原 )
画像3 花は葉腋から総状の花序が伸びて、ごく小さな花が多数つく。撮影:(2007.5.26 鰐塚山) 画像4 雄花。5個の花弁は反り返り、オシベ5が突出する。 撮影:(2007.5.26 鰐塚山)
画像5 樹木にしっかりと巻きついて成長した太い蔓。 撮影:(2007.8.4 えびの高原) 画像6 蔓から気根を出して真っ直ぐに上へ登ってゆく。 撮影:(2007.8.4 えびの高原)
画像7 赤松に巻きついて、まるで松から伸びた枝のように太い枝を
   横に広げ、全体樹形のバランスが取れた感じになった蔓。
撮影:(2007.8.4 えびの高原)
画像8 山地のブナに這い登って紅葉した蔓、高さ20mはある。 撮影:(2007.10.14 県北部) 画像9 葉は3出複葉、下面脈腋以外は無毛で鋸歯はない。 撮影:(2004.10.23 えびの高原)
画像10 太い横枝から上向きの枝を伸ばし、小枝の先に葉を広げる。 
撮影:(2007.8.4 えびの高原)
画像11 小葉の小さい時は切れ込みがあり、成葉するにつれて全縁になる。
撮影:(2007.8.4 えびの高原)
画像12 3出複葉の側小葉は殆んど無柄だが、頂小葉には2cm近い柄がある。
撮影:(2007.8.4 えびの高原)
画像13 葉は下面も無毛だが、側脈の脈腋にだけ褐色の毛が密生する。
撮影:(2007.8.4 えびの高原)
画像14 幼木の葉はツタの葉のようで、種小名「ambigua」の、疑わしい、あいまいなの意味が理解できる気がする。撮影:(2007.8.4 えびの高原) 画像15 未熟な果実。果実は他のウルシ類と違って葉腋から垂れ下がることはない。
撮影:(2007.8.4 えびの高原)
画像16 熟した果実は黄褐色で、高さ3ミリ、幅5ミリほどの偏球。 撮影:(2005.9.3 えびの高原) 画像17 果実には縦に12〜13個の条がある。
撮影:(2007.10.28 えびの高原)
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