FILE NO 470 宮崎と周辺の植物
トウゲシバ Lycopodium serratum Thunb.
峠芝 ヒカゲノカズラ科
撮影日 2012.3.7
撮影場所 宮崎市

  北海道~琉球~中国~東南アジアとハワイにも分布するという地上性の常緑シダで、宮崎でも各地の林内に普通にある。
 変種としてホソバトウゲシバ、ヒロハノトウゲシバ、オニトウゲシバに区分されるが、細い、広い等の違いは微妙で区分は困難なことが多いので、トウゲシバでまとめる考え方が主流になっていると聞くが、宮崎では低山地林内のものは普通ヒロハノトウゲシバとされているので、あえて分ければそれにあたる。
 峠芝は自生地の情景から名付けられたらしい。
画像1 落葉林内で高さ13cmほどに伸びた茎、長い葉の部分と胞子嚢がついた短い葉の複層部は成長の痕。地表で分岐している
画像2 明るい落葉樹の林床に斑状に小集団を構成している。
撮影:(2012.3.7  宮崎市) 
画像3 茎を横から見ると葉には長短があり、短い葉が胞子葉で、
        その葉腋に橙黄色腎臓形の胞子嚢がつく。葉は斜下しない。
撮影:(2012.3.7 宮崎市) 
画像4 葉は光沢ある緑色で直立した茎から全方向に水平状に広がる。 撮影:(2001.6.16 宮崎市 ) 画像5 葉は薄い革質状で縁の鋭い鋸歯は不規則で変化が大きい。 撮影:(2012.3.8  宮崎市)
 
 画像6 上は栄養葉の上面で長さ約18ミリ、下は胞子葉の下面で、
       長さ約16ミリ、葉柄は不明。中央脈は上下面ともやや隆起。
撮影:(2012.3.8  宮崎市)
画像7 葉柄部の形と葉腋の幅1.7ミリほどの腎臓形をした胞子嚢群。 上部はがま口状に裂ける。
撮影:(2012.3.8  宮崎市)
画像8 色は不正確だが拡大した胞子嚢群(ソーラス)。脇にこぼれた胞子が見える。
撮影:(2012.3.8 宮崎市) 
     
画像9 よく見ると栄養葉の間から(その上部は成長して胞子葉部が伸びている)に長さ約6ミリの無性芽がついている。 撮影:(2012.3.8 宮崎市)   画像10 茎は地表部や下部、または上部で2~3回叉状分岐で高さ15cmほど。地下部は長いひげ根が出る。 撮影:(2012.3.7 宮崎市)  
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