FILE NO 54 宮崎と周辺の植物
ウドカズラ Ampelopsis leeoides (Maxim.) Planch.
独活葛 ブドウ科
撮影日 2010.8.26
撮影場所 県北部

 
紀伊半島と山口県ライン以西四国、九州の屋久島辺りまで分布するという落葉性木本つる植物で、和名は蔓だが葉がウドの葉に似ているからとされている。
 日本ではブドウ科ノブドウ属に2種があり、他の1つはカラフルな果実で知られた草本のノブドウで、これは食用等に栽培するブドウの葉に似た葉をつけるのに対して、ウドカズラの方は何故かウコギ科のウドの葉のような羽状の複葉をつける。
 宮崎県でも広く自生しているが何処ででも見かけるというほど多い蔓ではない。
 里山の生活で何かに利用された話も無い上に、限られた地域に自生することもあって載っていない図鑑等も多い。
画像1 タブノキの高枝から下がった蔓の果実、もう黒熟したものもある。 
画像2 蔓全体の感じを出す画像は困難だが、樹木全体を覆うような蔓は、基部で
     直径5cmほども太くなって枝を伸展するので、蔓の長さは検討がつかない。
    撮影:(2010.9.8 県中部)
画像3 花は葉と対生する形で展開する集散花序だが小さな黄白色は目立たない。
撮影:(2001.7.6 県中部)
画像4 花序の主軸が枯れた分枝に咲いた花、軸基部から対生した巻きひげが見える。
撮影:(2007.7.16 県中部)
画像5 花は大きさ3ミリほどで花弁5オシベ5で、メシベ花柱はやや大きめ。赤く丸いのはは若い果実。
撮影:(2007.7.16 県中部)
画像6 葉は基部近くで分枝することも多く遠目では対生の羽状複葉に見える。
    羽状複葉は奇数性で長さ30cmほどにもなって4対ほどの小葉をつける。
 撮影:(2010.9.7 県中部)
画像7 羽状複葉の最下羽片は葉柄からさらに葉がでて3小葉となることが多い。
撮影:(2010.9.7 県中部)
画像8 幼葉では上半部の疎らな鋸歯が良く判るが、成葉では目立たなくなる。
撮影:(2010.9.7 県中部)
画像9 葉は変化が多いが長さ10cmほどにもなる。葉柄は1〜1.5cmほどで葉の両面も葉柄も無毛。 
撮影:(2010.9.7 県中部)
画像10 葉の下面のアップ画像。細脈がよく見えて点在する腺がよく見える。植物全体に腺が多い。
撮影:(2010.9.7 県中部)
画像11 葉柄にも赤っぽくなった腺が点在している。
撮影:(2010.9.7 県中部)
画像12 種羽状の複葉と対生して伸びている巻きひげ。撮影:(2010.9.7 県中部)
画像13 巻きひげは途中で分枝して伸び、さらに2分枝を繰り返して長さ10cm以上にもなる。 
撮影:(2007.7.16 県中部)
画像14 分枝した巻きひげの先端部分を見ると、次の分枝の準備ができているのが判る。 
撮影:(2010.9.7 県中部)
画像15 果実は液果でだんだん赤くなりやがて黒く熟すが、途中で落ちやすい。 
撮影:(2010.8.26 県中部)
画像16 赤から黒っぽく熟した果実は、直径8ミリほどの歪んだ球形で表面の点状突起が目立つ。
撮影:(2010.8.26 県中部)
画像17 液果の中に1〜4個の種子があり、4個の場合はミカンの袋状の形で入っている。 撮影:(2010.9.9 県中部) 画像18 種子は長さ4ミリ弱で、背中部分には独特の形状の凹凸が見られる。撮影:(2010.9.9 県中部)
画像19 細い蔓は気孔が点在する。巻きひげは2重3重に巻いて簡単には外れない。
撮影:(2010.9.7 県中部)
画像20 大きな蔓は表皮に縦の浅溝が入り細い横の線状隆起がでる。古い蔓では縦長の裂片状に裂ける。
撮影:(2007.7.16 県中部)
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