FILE NO 187 宮崎と周辺の植物
ウリノキ Alangium platanifolium (Sieb. et Zucc.)harms var.trilobum (Miq.) Ohwi
瓜の木 ウリノキ科
撮影日 2001.7.1
撮影場所 県北部

 
北海道〜九州、朝鮮半島〜中国中部にかけてウリノキが、九州南部佐多岬辺りから琉球にはシマウリノキが分布しているというが、特に有用性がないせいかこれらの種については解説書等でも記載のないものも多い。
 和名ウリノキは葉が瓜に似ているからとされているが、属名中の「platanifolium」はプラタナスが語源のようで、確かにプラタナスの葉にも似ている。
 漢名で八角楓と言って根はリュマチの痛みや腰痛等に効く生薬「大空」として知られているそうで、江戸期寺島良安の和漢三才図会第84卷灌木類にも出てはくるが、そこでも特段の解説はない。
 宮崎ではやや湿り気のある林内に普通な3mほどになる低木。
画像1 花は横に広がった枝葉の下に咲くので葉の上からは見えない。  
画像2 笠のように上部を広く覆った枝葉に庇護された日陰で開いた花と蕾。
   中央の花序で左から、花が済んで残った花柱、花、若い果実、蕾。
 撮影:(2010.6.16 県北部)
画像3 樹はせいぜい高さ3mほどで分枝が多く、幹の中部以上では主幹は不明瞭。
    殆どの樹では上部の枝は片寄って斜め横に張り出して独得の樹形を形作る。
撮影:(2009.6.27 県北部)
画像4 花はガクを除いて長さ約3.5cmで花弁6個は外にクルリと巻き上がり、
    黄色い棒状のオシベ12個とそれより長いメシベ花柱が露出して下がる。
撮影:(2004.6.29 県北部)  
画像5 6個の長い花弁は少しづつ反り巻きながらやがて完全に巻き上がる。 撮影:(2010.6.16 県北部) 画像6 風に揺れながら巻き上がっている花弁。
撮影:(2010.6.16 県北部)
画像7 4個の花弁だけは殆ど巻き上がったが残る2個は未だのびたまま。 撮影:(2010.6.16 県北部) 画像8 開花後に短毛のある花糸は段々捩れてやがて花弁ごと落ちる。 撮影:(2009.6.27 県北部)
画像9 葉は円形で上半分が大きく浅く3裂して裂片が細長く突き出て先が尖る。
   この葉の場合は、葉柄7cm、葉柄基部から中央裂片先端まで26cm、
     最大幅20cmほどの葉身基部は僅かな心形、質は薄くて縁は波打っている。
撮影:(2010.6.16 県北部)
画像10 横に伸びた枝から出た広い葉は水平に広がって枝下の光を遮る。 撮影:(2009.8.22 県北部) 画像11 疎らに花をつけた集散花序の形がよく判る、3個の蕾がついた花序。 撮影:(2004.6.29 県北部)
画像12 葉の下面はやや白っぽくて細脈までが隆起して鮮明に見える。 撮影:(2010.6.16 県北部) 画像13 下面拡大画像では、脈上にある短毛が判る。上面も同様に有毛。 撮影:(2010.6.16 県北部)
画像14 枝はベージュがかった灰色に丸い小さな皮目がある。柔らかそうな樹皮は案外強い。
撮影:(2009.8.22 県北部)
画像15 若い幹は薄い褐色で細い縦筋が隆起するが、老木になるにつれ段々滑らかになるという。
撮影:(2010.6.16 県北部)
画像16 果実は楕円状で先端に花柱残がいが残る。未熟な果実を良く見てみるとはウリに似ている。
撮影:(2007.7.24 県北部)
画像17 果実は長さ約1.2cmほどに成長して完熟すると藍色に熟す。中に種子が1個入る。
撮影:(2009.8.22 県北部)
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