FILE NO 393 宮崎と周辺の植物
ヤブイバラ Rosa onoei Makino
藪薔薇 バラ科
撮影日 2003.5.23
撮影場所 高原町

 県内では、ノイバラと共にごくありふれた落葉低木で、晩秋、葉が落ちて刺ばかりになった枝の赤い果実はよく目立つ。
 日本列島最大の活断層である中央構造線の以南(外帯)の三重県以南にこのヤブイバラが、以北(内帯)にミヤコイバラが住み分けているということだが、山野に自生している植物の進化の歴史が、いかに複雑なものかを物語っている気がする。
 特徴は、花柱上部は合着、 頂小葉は側小葉よりも大きく、托葉には歯牙があり、葉の中軸や小葉の下面中脈、花序等には伏毛があること。
 画像8、9は2004.11.7に宮崎市で撮影。
画像1 ニオイイバラとも言うが、開花した時の香りはまさに上品な芳香そのものだ。
画像2 枝の先に円錐花序をつけ、小花柄を横に開いて少数の花を咲かせる。 画像3 直径約155cmほどの白い花弁5個。
画像4 小花柄、萼にも伏毛がある。 画像5 縁に歯牙の出た托葉、鋭い鉤型の刺、伏毛のある葉軸が見える。
画像6 葉は互生、奇数羽状複葉で小葉は2〜3対、頂小葉は側小葉より大きく、先端は尾状に長くとがる。 画像7 普通は他の植物に寄りかかって上に伸びるが、周囲に何も無ければ、横に広がってまとまった藪になる。
画像8 果実は直径6ミリほどでほぼ球形だが、
これは萼筒が肥大したもので偽果といわれる。
画像9 果柄にはまだ腺毛が少し残っている。
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