FILE NO 632 宮崎と周辺の植物
ヤブムラサキ Callicarpa mollis Sieb. et Zucc.
藪紫 クマツヅラ科
撮影日 2009.5.23
撮影場所 県中部

 宮城県以南九州から朝鮮半島に自生するといい、良く似たムラサキシキブが北海道以南、沖縄から台湾、中国と分布範囲が広いのに比べると、日本的要素が強い種と言える。
 和名のヤブは藪と書くが、枝や葉や花序等に軟毛が密生して毛深いことによるかどうかは不明。
 宮崎でも広く見られる落葉低木で、ムラサキシキブとともに里山の林縁や道脇等でもよく目にするが、果実に毛が密生したガク片のせいか、折り取って帰る人は少ない気がする。   
画像1 長く伸びた枝の葉腋から出た地味な花序は葉陰に隠れる。
画像2 樹形は根元から分枝してさらに多くの枝を出しながら成長し、
    高さ3mほどになるが、傾斜地では大きく曲がって垂れ下がる。
撮影:(2009.5.30 県中部 )
画像3 果実は美しい紫色をした直径4ミリほどの球形で、
        落葉した枝にに印象的について遠くからでもよく目立つ。
撮影:(2006.12.3 県西部 )
画像4 花序の花柄は短かくて殆どが葉腋から下がってつくので、葉の陰になって見えにくい。
撮影:(2009.5.23 県中部)
画像5 花序は集散花序で淡紅紫色の花を7〜8個つける。花冠直径はせいぜい5ミリほど。
撮影:(2009.5.30 県中部 )
画像6 花冠は浅く4裂して平開し、オシベは4個、メシベは1個で長く突き出る。ガクは4中裂する。
撮影:(2009.5.23 県中部)
画像7 葉柄、花柄、若い茎には星状毛、羽状の毛が密生する。左右の丸いのは蕾を覆った軟毛。
撮影:(2009.5.30 県中部)
画像8 花がついた若い枝。花冠の下半部を覆ったガクに軟毛が密生している。
撮影:(2009.5.23 県中部)
画像9 若い枝は明るい灰褐色で滑らかだが、古くなると小さな皮目が出て目立ってくる。
撮影:(2009.5.23 県中部)
画像10 葉は対生する枝に対生について、基部の葉からだんだん大きくなり先端につく葉は
      長さ12cmほど、葉柄は約5ミリ。先端は尾状に長く尖り、葉縁に小さな鋸歯がある。
 撮影:(2009.5.30 県中部)
画像11 葉は上面に短軟毛が密生し、手で触るとビロードのような感じがする。側脈は6対ほど。
撮影:(2009.5.23 県中部)
画像12 葉の下面は白い星状毛が細脈の脈上にまでついて触ると上面と同様にロード状。
撮影:(2009.5.30 県中部)
画像13 葉の上面をアップした時の軟毛の様子。  撮影:(2009.5.23 県中部) 画像14 新葉が展開する時の茎と葉の星状毛、軟毛の付き具合。  撮影:(2009.5.23 県中部)
画像15 果実は、ムラサキシキブよりは少し大き目。  撮影:(2006.12.3 県中部) 画像16 紫色が濃い果実。基部を包んだガク片には軟毛が残る。 撮影:(2006.1.9 県中部)
画像17 (参考)ムラサキシキブの花序、長くガク片に星状毛はない。  撮影:(2006.5.25 県中部) 画像18 (参考)ムラサキシキブの葉、下面は無毛で基部は楔形。  撮影:(2006.5.25 県中部)
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