FILE NO 532 宮崎と周辺の植物
ヤクシマホツツジ Tripetalelia paniculata Sieb. et Zucc. f. paniculata T.
屋久島穂ツツジ ツツジ科
撮影日 2005.8.16
撮影場所 県北部

 ヤクシマホツツジのヤクシマの意味はよくわからないが、ホツツジは花が穂のようになってつくからで、学名の種小名「paniculata」も穂状花序のという意味らしい。
 四国、九州にあるホツツジはガクの先が浅く切れ込んで尖るヤクシマホツツジ(画像2、10参照)にあたるが、これを区別せずに両者をホツツジとしている図鑑も多い
 宮崎では北部山地の日当たりの良い岩場等に自生する。
 ツツジの仲間には、アセビやレンゲツツジなどのように有毒なものがあり、ホツツジもまた有毒で知られている。
 果実や根に有毒成分が含まれるのは普通だが、ツツジ科の場合は花の蜜の中にも毒成分があるそうで、ホツツジの花にも呼吸中枢を麻痺させるアンドロメドトキシンが含まれ、蜂蜜で中毒した例もあるという。
 この木が山地に自生する九州では蜂蜜に混じる心配はないが、平地に自生する寒い地方では、ミツバチが集めてくる可能性があるといわれる。
画像1 互生する葉が集まった枝先から、天を目指して真っ直ぐ上に伸びて、長い花柱を横に出した10cmほどの総状花序となる。 画像2、10でガクの先の尖り具合が見える。
画像2 花序についた花の様子、右側上下の花の下の花は花冠が取れて緑の子房が見える。
突き出た花柱の長さは9ミリほど。
撮影:(2004.8.15 県北部)
画像3 花冠は深く3裂、裂片は狭長楕円形で長さ1cmほど、開くと反り返る。
 裂片の一部、花柱の下部は淡紅色を帯びる。
撮影:(2004.8.15 県北部)
画像4 完全に反り返った裂片、オシベの花糸は扁平で、まだ子房を包んでいる。
撮影:(2004.8.15 県北部)
画像5 6個のオシベを正面から見た。
 花糸は横に開いて中央に子房が見える。
撮影:(2004.8.15 県北部)
画像6 花が開いて、花冠が落ちた後までの変化の形が見える。
撮影:(2005.8.7 県北部)
画像7 高さ1〜2mになる落葉低木で、根元からよく分枝して上部の枝はぎっしりと茂る。
撮影:(200.4.8.15 県北部)
画像8 葉は枝先に4〜5枚集まって輪状に見える。長さ4〜5cmの葉の縁は全縁で波打つ。
撮影:(200.5.8.16 県北部)
画像9 葉の下面は脈沿いに白い毛がある。
若い枝は赤褐色で稜がある。
撮影:(2005.8.16 県北部)
画像10 蕾のガクが見えるが、ガクの先は浅く5裂して尖るのがヤクシマホツツジの特徴。
撮影:(200.5.8.16 県北部)
画像11 樹皮は縦長の裂け目が入り、マツノキハダ(松の木肌)とも呼ばれる。
撮影:(2005.8.16 県北部)
画像12 さく果は扁球形で直径3ミリほど、浅く3つにくびれてガクとの間にごく短い柄がある。
撮影:(200.5.10.16 県北部)
トップへ 科名リストへ