FILE NO 562 宮崎と周辺の植物
ヤマハッカ Rabdosia inflexa (Thunb.) Hara
山薄荷 シソ科
撮影日 2006.10.22
撮影場所 宮崎市

 日本全国にある多年草で、宮崎でも10月から11月にかけて日の当る草地や道脇の少し草の生えている小藪で、生育地の日当たり等の環境によるのか少しずつ開花時期がずれて咲くので、かなり長期間に亘って花を見られる。
 同時期同じような場所によく似た花も咲くが、葉の形と大きさ、花の形の違いを理解すればすぐに判る。
 種小名「inflexa」は内曲したの意味で、花冠の突き出た下唇が内側に巻いていることを表していると思われる。
画像1 群生して一斉に花を咲かせていることも多く、普通はこの株の
ように高さは50cmほどだが、時に1m近くにもなる。
名はヤマハッカだが、ハッカと違い苦いだけで香りはない。
画像2 茎の中ほどから上に、対生する横枝を疎らに出し、枝先に花穂を伸ばして花をつける。
撮影:(2002.11.10 野尻町)
画像3 花は小さな集散花序となり、青い縦すじのある淡紫色の花が塊りになってよく目立つ。
撮影:(2002.11.10 野尻町)
画像4 花は花穂の片側に偏って、皆同じ方向を向いて咲く。 撮影:(2006.10.22 宮崎市) 画像5 花序軸は短く、1〜4個ほどの枝を分けて唇形花をつける。 撮影:(2006.10.22 宮崎市)
画像6 長さ1cmほどの花冠は上下に別れ、縦すじのある上唇は真っ直ぐ立って4つに切れ込み、下唇はボート状に前に突き出てヘリがオシベ、メシベを包み込むように上側にくるりと巻き込む。
撮影:(2006.10.22 宮崎市)
画像7 オシベ4個とメシベは通常は下唇に包まれて見えないが、昆虫が蜜を求めて頭を突っ込むと下唇が下がって外に出てくるようになっている。今回は手で下唇を少し押し下げた後に撮影した。
撮影:(2006.10.22 宮崎市)
画像8 広卵形の葉は濃緑色で長さ4cmほど、ヘリは大雑把な鋸歯があり基部は翼につながる。
撮影:(2006.11.22 宮崎市)
画像9 葉の基部、急激に細くなって葉柄の翼に流れてそのままなだらかに細くなる。
撮影:(2006.11.14 宮崎市)
画像10 葉の下面、脈は葉柄からつながる主脈、ヘリに向かう側脈がはっきりと浮き出る。
撮影:(2006.10.22 宮崎市)
画像11 葉の表面と下面脈上には疎らな毛があり、側脈を横につなぐ網目は粗く少ない。
撮影:(2006.10.22 宮崎市)
画像12 対生する葉の節には短毛が生え、茎下部は木質化する。 撮影:(2006.10.22 宮崎市) 画像13 茎はほぼ4角形となり、稜には下向きに短い毛が生える。 (2006.10.22 宮崎市)
画像14 ガクは上側が3裂、下側が2裂して先は尖る。画面中央のガクの左はまだ果実が残っているが、右は果実が飛んで無い。
撮影:(2006.11.12 宮崎市)
画像15 永続性のガクの底にある分果は4個の果実となり、長さ1ミリ強ほどの楕円状で手でガクを強目に触ると外に飛ぶ。
撮影:(2006.11.12 宮崎市)
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