FILE NO 643 宮崎と周辺の植物
ヤマノイモ Dioscorea japonica Thnb.
山の芋 ヤマノイモ科
撮影日 2006.11.14
撮影場所 宮崎市

 北海道の阿寒、胆振地方以南〜琉球、朝鮮半島、中国に分布するというつる性の多年草で、山野に自生する自然薯(ジネンジョ)のことだが、古く中国から持ち込まれた栽培種のナガイモも改良されていくつかの呼び名があり、また野生化したナガイモもあってややこしい。
 宮崎ではヤマイモというが、多大なエネルギーが要るヤマイモ掘りをする人も減り、地中に埋めたパイプでジネンジョを栽培する生産者も増えて、ジネンジョは遠くなってしまった。
画像1 晩秋の山野で目立つ鮮やかな黄葉と独得の形の果実。 この仲間は全て雌雄異株。
画像2 冬の到来に向かって紅葉が目立つ里山の集落を抜けた道脇の風景、
    藪の上部を覆ったクズと並んで杉の木に絡んで黄葉したヤマノイモ。
 撮影:(2009.11.14 綾町)
画像3 白い玉状の雄花は葉腋から上向きに立ち上がった7〜8cmほどの
        長さの花序について、数えられるような数の白い点となって穂状に並ぶ。
撮影:(2008.8.17 宮崎市)
画像4 花序は普通、葉腋から1〜3本がつるに直角に立ち上がる。 撮影:(2009.8.16 宮崎市) 画像5 花は白色で無柄の、直径2ミリほどの球形状になる。 撮影:(2009.8.16 宮崎市)
画像6 雄花。長さ2ミリほどの外花被片が3個、内花被片3個で、中に
         オシベが6個あるというが殆ど見えない。 撮影:(2009.8.16 宮崎市)
画像7 果実は独得の形で果柄に繋がれたようにぶら下がる。昔は子供が鼻の頭に載せて天狗遊び等に使った。 撮影:(2009.11.14 綾町) 画像8 果実は3個の翼がくっついて縦1.5cm、横2.3cmほどの羽根型になる。
撮影:(2006.11.11 宮崎市)
画像9 120度の角度で開いた果実の薄い羽根は2枚に割れて中に位置のずれた種子が見える。
撮影:(2009.11.15 綾町)
画像10 直径約4ミリほどの種子は縦1.4cmほどの膜に包まれるが、中心に位置することはない。
撮影:(2006.11.11 宮崎市)
画像11 対生する葉は基部がハート形で徐々に細くなって先端が尖るヤマノイモ型ともいう
    独得の形で、大きいものは長さ15cmほどになる。晩秋には鮮やかな黄葉になって
    日本の美しい秋の山野を彩る主要な役割を担う。 撮影:(2009.11.14 三股町)
画像12 葉は両面とも無毛で上面には光沢があり、基部から走る葉脈が単子葉植物を証明している。
撮影:(2009.11.3 高千穂町)
画像13 葉の下面は側脈が隆起して、葉に接する部分の葉柄の膨らみが目立つ。
撮影:(2009.11.3 高千穂町)
画像14 3〜4cmほどの葉柄はつるに接する基部が膨らむ。 撮影:(2009.11.3 高千穂町) 画像15 つるは地面から見上げて時計回りに緩く巻き上る。 撮影:(2009.11.3 高千穂町)
画像16 つるの基部を掘ると、地中の(担根体)との接続部に横に伸びる長く細い根が6〜7本出てくるが、これが養分を吸収するヤマノイモの根。
撮影:(2009.11.3 高千穂町)
画像17 長さ1.1mの芋。芋は左の担根体の先に深く伸びる。芋は毎年新しく更新され、古芋は新芋に養分を移して枯れ、年々効率的に成長して大きくなる。
撮影:(2009.11.3 高千穂町)
画像18 日本にあるヤマノイモ属約10種の内3種にだけ葉腋に珠芽(ムカゴ)ができ、これが地に落ちて繁殖する。 撮影:(2009.11.14 綾町) 画像19 ムカゴは脇芽が多量の養分を蓄えて肥 大したもので古くから食用に利用されている。これは直径約1cm。  撮影:(2009.10.28 美郷町)
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