FILE NO 490 宮崎と周辺の植物
ヤマラッキョウ Allium thunbergii G. Don
山辣韮 ユリ科
撮影日 2004.11.7
撮影場所 宮崎市

 ネギの仲間のノビル、ニラ、ギョウジャニンニク等の野草は殆どが山菜とか、薬用になるとして利用されているが、何故かこのヤマラッキョウの類は利用されている話がない。
 りん茎の味が特にまずい話もないので、実りの秋に花が咲くことも原因の一つかも。
 ノビルが縄文後期の土器の中から出土している (縄文時代の食物食 渡辺誠 雄山閣昭和50年 )ことを考えると、基本的な違いがありそうだ。
画像1 やや湿り気のある草地に生える多年草。花の左に葉が見える。
画像2 草地に自生する状態、葉は根際から20cm〜30cm伸びるが傾くことが多い。
画像3 花茎の先端についた球状の散形花序。
球形の花序の直径は3cmほど、花の数は多いものから少ないまで変化が多い。
(撮影:2004.10.17 高千穂町)
画像4 花被片は長さ5ミリほどの楕円形、紅紫色、せいぜい写真程度に開く程度で平開しない。
これは花数が少ない株で、8個ほどしかついていないが花柄の長さは2cmになる。
画像5 花被片は6個、メシベ1個とオシベ6個は花被片より長い。(撮影:2004.10.17 高千穂町) 画像6 葉は普通は25cmほどの長さで、形は変化が多く、3角形から変形した長方形まで多様。
(撮影:2004.11.13 野尻町)
画像7 蕾。初めは合着していた膜質の苞は、
後に3裂して先が尾状の広卵形になる
(撮影:2004.10.17 高千穂町)
画像8 葉の断面は変化が大きく、殆ど3角状から変形した長方形まで変化するが、全て中空。
 ナンゴクヤマラッキョウ:「九州南部に分布するヤマラッキョウの中で、葉が中実のものがあり、オシベの基部の蜜腺に帽子状の覆い構造が発達しない」ものがある(鹿児島大学 堀田満氏の研究)との話を専門家に聞いて探しているが、まだ見たことはない。
(撮影:2002.11.11 高原町) 
画像9 角状から変形している葉断面。
(撮影:2004.11.13 野尻町)
画像10 三日月形から変形した形。
(撮影:20045.11.3 野尻町)
画像11 長さ2.5cmほどのりん茎。
(撮影:2004.11.7 野尻町)
画像12 りん茎は狭卵形、シュロ毛はない。
(撮影:2004.11.7 野尻町)
画像13 刮ハは扁平な卵形3個からなる。個々の果実は縦に裂けて濃い紫黒色をした卵形の種子を出す。(撮影:2004.11.28 野尻町 右同) 画像14 刮ハの種子は左右に2分裂するので、一つの花から6個の種子ができる。種子を出した裂け目が見える刮ハと2つ(4個の種子)の種子。
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