FILE NO 317 宮崎と周辺の植物
ハダカホオズキ Tubocapsicum anomalum (Franch. et Savat.) Makino
裸酸漿 ナス科
撮影日 2001.10.27
撮影場所 宮崎市

 裸が頭につく植物は数えるほどしかないが、茎葉等に毛のある仲間内で、ちょっと違って毛の無い種などの場合、ハダカ○○となるようだ。
 ハダカホオズキは、普通ホオズキを包んでいる袋がなく、果実が露出していることによるが、学名でも種小名は「異常の、変則の」を意味する
「anomalum」となっている。
 属名の「Tubocapsicum」は 、「tubus」:管と「capsicum」:トウガラシ属で、普通は袋になる果実基部の萼が、筒状に見えるからというらしい。 
画像1 中国では、赤い果実が竜の目のようだから生薬「竜珠」として、
果実のついた全草を乾燥しておできの外用薬とすると、薬草カラー大事典(伊澤一男著、1998年、主婦の友社)には出典もあげた記載がある。
本州〜琉球、台湾、中国から東南アジアまで広く自生する。
画像2 高さは1mにもならないほどの多年草で、やや湿り気のある日陰によく生える。
       たまたま周囲が伐採された明るい場所での撮影となったが、翌年は株が消えていた。
撮影:(2005.10.23 川南町)
画像3 葉腋から2cmほどの柄が2〜4個出て、下垂する花をつけ、果実をつける。花は葉陰で目立たない。 撮影:(2006.9.3 三股町) 画像4 まだ未熟の果実。直径1cmに満たない球形の液果で、果柄は先が少し太くなって皿型のガクにつながる。撮影:(2006.9.9  木城町)
画像5 直径8ミリほどの淡黄色の花は、浅い花冠の先が5裂し、裂片の先はくるりと外にまく。
撮影:(2006.9.9 木城町)
画像6 花冠裂片の内側には毛が密生し、5個のオシベの葯隔が肥大するのも特徴。
撮影:(2006.9.9 木城町)
画像7 枝はよく分枝して横に大きく広がり、互生する葉を開く。
       葉は卵状長楕円形で先は鋭く尖るが、薄く柔らかいので垂れる。
茎葉は無毛。 撮影:(2006.9.9 木城町)
画像8 葉の長さは8〜18cmほどと変化の幅が大きく、枝先に出る葉の基部には小さな葉が左右に出て目立つ。 撮影:(2006.9.9 木城町) 画像9 葉の基部は短い葉柄に流れる。枝は緑色で無毛でつるつるして、浅い溝がある。
撮影:(2006.9.9 木城町)
画像10 葉の基部は細くなって葉柄につながるが、中央脈の左右は同じようにならない。
撮影:(2006.9.9 木城町)
画像11 葉の下面。脈がはっきりと浮き出て、縁達しない側脈が良く見える。
撮影:(2006.9.9 木城町)
画像12 緑色でつやのある枝は茎からほぼ直角に出て横に広がる。 撮影:(2006.9.9 木城町) 画像13 基部近くの茎は硬くて丈夫、手で触るとざらざらしている。 撮影:(2006.9.9 木城町)
画像14 薄暗い林中の僅かな草地、射し込む光に照らされた株。
        1mに満たない高さで極端に横に広がった枝ぶり、これが普通。
撮影:(2006.9.9 木城町)
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