FILE NO 554 宮崎と周辺の植物
ハカマカズラ Bauhinia japonica Maxim.
袴葛 マメ科
撮影日 2006.7.17
撮影場所 県南部

 袴カズラはその名のとおり、葉の形が袴に似ていることから来ているらしいが、画像13のように、葉が変形して対生に出る巻きひげが袴の紐のように見えるし、画像12のように、9個ある葉の掌状脈も袴の折り目にも見えて、命名の見立てとしては実態を反映している気がする。
 沖縄から紀伊半島まで自生する暖地性の常緑性蔓植物で日本の特産種、宮崎では海沿いの海岸林の一部で見られ、真夏、太陽光が降り注ぐ頭上の樹冠に花をつける。
画像1 炎天下、見上げる樹上に元気一杯、繁茂して花をつけた蔓。
画像2 全景。たくましい蔓を縦横に伸ばして樹冠を覆い、
        太陽に向けて花序を伸ばす蔓。撮影:(2006.7.17 県南部)
画像3 枝先に20cm以上にもなる総状花序を
伸ばす。 撮影:(2006.7.17 県南部)
画像4 横に伸びた花柄は長さ2.5cmほど、基部に小苞が密着する。 撮影:(2006.7.17 県南部)
画像5 花序は下から咲いて淡黄緑色、花の大きさは直径2cmほど、上部の蕾は昆虫の触角のように見える。 撮影:(2006.7.17 県南部) 画像6 5個の花弁は匙状。オシベ10の内3個は完全オシベで長く、残り7個は退化して仮おしべとなっている。 撮影:(2006.7.17 県南部)
画像7 メシベは、毛が密生した子房の先に無毛の花柱が細く尖って、長さ5〜6ミリ。オシベは長さ約1cm。 撮影:(2006.7.17 県南部) 画像8 蕾時のガクは鐘形で先が浅く5裂するが、開花するとヒトデ型に浅く5裂する。
撮影:(2006.7.17 県南部)
画像9 葉は互生し、側枝の先端近くの節には
対生する巻きひげが出る。
撮影:(2006.6.3 県南部)
画像10 右の幼い葉は完全に折りたたまれて
おり、徐々に展開して左の葉になる。
撮影:(2006.6.3 県南部)
画像11 葉は円心形で2裂するが、幼枝に比べて老枝の葉は全体に丸みが強くなる。
撮影:(2006.6.3 県南部)
画像12 比較的幼枝の葉の下面。左右に4個ずつの掌状脈が見える。
撮影:(2006.7.17 県南部)
画像13 蔓に直結する葉柄は長さ2.5cmほどで、画像12に見える上側の柄は枝で、その先にさらに複数の葉がつく。 撮影:(2006.6.3 県南部) 画像14 緑色の未だ若い蔓、縦の溝があり葉柄基部の托葉がぐるりと蔓を取り巻いているが、托葉はすぐに取れる。 撮影:(2006.6.3 県南部)
画像15 果実は5〜10cmの長さで幅3cmほどになり、果皮は革質で硬い。中に種子2〜3が入る。
撮影:(2005.11.19 県南部)
画像16 種子は熟して濃紫色、直径は1.5cm弱、厚さ8ミリほどで、厚みのある碁石状。
撮影:(2005.11.19 県南部)
画像17 3つにくびれた未熟な果実。縫合線に沿ってこじ開けると、種子が3個見える。
撮影:(2005.1120 県南部)
画像18 種子の周囲は帯状に仕切り線が入る。
撮影:(2005.11.20 県南部)
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