FILE NO 548 宮崎と周辺の植物
sen
ハマダイコン Raphanus sativus L. var. raphanistroides Makino
浜大根 アブラナ
撮影日 2011.4.7
撮影場所 宮崎市

 
日本全土の海岸近くに生える2年草で、周囲に未だ緑が少ない早春の海そばの草地等に淡紅紫色の花を咲かせ、遠くからでもすぐに分かる。
 食用の栽培ダイコンが野生化したとされているが、最近の分子生物学の研究結果で、栽培ダイコンから逸出野生化したものではないことが明らかになったとも聞く。
 ダイコンの仲間は地中海沿岸が原産で中国~朝鮮半島を経由して渡来したようで、仁徳天皇がダイコンの白さを歌った歌が古事記にある。
画像1 海浜後背地の草地に群生した高さ約90cm前後の株。周辺の高さ5cmほどの幼株にも花がつき、繁殖力の強さが分かる。 ノダイコンと呼ばれるのはハマダイコンのことと思われる。
画像2 花は長い総状花序について淡紅紫色~白色で十字型に平開する。
撮影:(2011.4.7
 宮崎市)
画像3 数年は経っていそうな大株で茎部の高さ1.4m、太い根は長さ
 28cmある。野ダイコンの呼称は図鑑には出てこない。
撮影:(2011.4.7
 宮崎市)
画像4 花弁は4個で十字の形に開く。花弁両端の距離は2.3cmほどでダイコンの花より少し大きい。 撮影:(2011.3.29  宮崎市)) 画像5 花弁は途中で90度に折れ曲がって、基部が細長く伸びて1.3cmほどのガク片に隠されている。 撮影:(2011.4.8  宮崎市)
画像6 開いて見える花弁は倒卵形で長さ2cmほどだが、基部から
    柔らかな細い線が独特の模様で左右不対照に入って面白い。
撮影:(2011.3.29
 宮崎市)
画像7 茎や枝が2~4回分枝した小枝から出た柔らかい葉は普通のダイコンと同形で2~7の羽状に全裂。 撮影:(2011.4.7  宮崎市) 画像8 茎上部の枝先に進につれて葉は切れ込みが減って小さな長卵状に近くなる。 両面有毛。 撮影:(2011.4.7  宮崎市)
画像9 画像3の大株の基部から伸びた葉、長さは50cmほどにもなる。
撮影:(2011.4.7
 宮崎市)
画像10 葉の下面脈上は特に刺状の白い単毛が散生している。撮影:(2011.4.7  宮崎市) 画像11 瑞々しい薄緑色の茎にも刺状の単毛が散生する。 撮影:(2011.4.7  宮崎市)
画像12 (若い)果実。果実は3~4個の数珠状にくびれに入って長さ6cmほど、先は細長く伸びて尖る。 撮影:(2011.4.7  宮崎市) 画像13 (若い果実)。中に直径3ミリほどの種子4~5個を入れたまま裂開することなく明るい淡褐色に熟す。 撮影:(2011.4.7  宮崎市) 
画像13 高さ60cm程度の若株の根は、親指にも満たない太さで草丈ほどに細長い。
撮影:(2011.3.29
 宮崎市) 
画像13 画像3の根の近接画像。太短くて最大部分は直径7cm、先端まで28cmあるが全体が堅い。 撮影:(2011.4.7  宮崎市) 
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