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画像3 花冠は先が僅かに広がる鐘形で、先端は浅く5裂する程度。
延喜式にも古名で出てくるほどなので、昔からその特徴は知られていたようだ。
数多くある別名の一つ、喚草(おめきぐさ)も、やはり大声で騒ぐことを意味していると思われるので、昔から口にした被害者がいたらしい。 |
画像2 葉腋から1個出る花柄の長さは約3cm、
厚めの顎は先が5裂し、蕾は黒紫色。 |
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画像4 花冠を半分に破った写真。花冠内部の色は外部に比べて黄みが入って薄い。メシベ1、まだ若いオシベ5の葯は硬い。 |
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画像5 葯が開いて花粉を出すようになったオシベと少し曲がって離れたメシベ。 |
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画像6 葉は単葉で互生する。長さは8〜20cmほど、幅4〜6cmで柔らかい。 |
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画像7 葉は全縁の長楕円状で両端は尖り、下面では脈が隆起する。 |
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画像8 茎は全くの無毛、みずみずしい感じで互生する葉柄は浅く溝がある。 |
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画像9 砂礫状の地面から出ている茎の下部には濃い色の鱗片葉がつく。 |
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(余談)
この地下茎等に含まれる毒は、迷走神経を刺激して心臓機能を抑制する作用を持つ「アトロピン」、目の瞳孔を散大する「スコポラミン」だが、昔から毒草、薬草として知られるペラドンナや中国のロートも同じ活性成分を持っているそうだ。
ベラドンナは美しい貴婦人の意で、ベラドンナの果実の汁を目にさすと瞳が大きくなって輝きを増し、生き生きした美人になるので、ヨーロッパでは昔から知られていたらしい。
中国のロートも紀元前から知られた薬用植物で、鎮痛、鎮頸薬として用いられてきた。
シーボルトが来日していた時に、眼科医の奥医師土生玄碩(はぶげんせき)が眼科薬として輸入していた薬草ベラドンナと同じものが日本にもあるかと尋ねたところ、ハシリドコロのことを教えたので、それ以来眼科治療の補助薬としての活用が広がった。(結果的に両者は別種だったが。)
同じように小野蘭山も、本草綱目啓蒙(1803年)の中で中国のロートが日本のハシリドコロにあたると間違った記載をしたことから、今でも地下茎はロート根と呼ばれている。
参考図書:1漢方・生薬の謎を探る(難波恒雄著、NHKライブラリー、1998年) 2毒草を食べてみた(植松黎著、文春新書、2000年) |
画像10 結節のある太い地下茎。 |
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