FILE NO 706 宮崎と周辺の植物
ヒロハノコギリシダ Diplazium dilatatum Blume
広葉鋸羊歯 ツルデンダ科
撮影日 2016.2.15
撮影場所 高鍋町

 
愛知県~紀伊半島、高知県、九州長崎・熊本・宮崎・鹿児島以南~琉球、マレーシア周辺まで分布するという常緑シダだが、鹿児島以南を除いて皆絶滅危惧種に指定されている。
  宮崎ではシダに詳しいA氏の精力的な調査に温暖化の影響もプラスしてか、最近自生地が相次いで見つかっており、 撮影地もA氏の案内で訪れた。
  自生地は年数の経った杉林中の谷周辺で、成長過程の葉の形の変遷に注目すると見飽きることがない。
  分布等については、(宮崎植物研究会誌第13号の:ヒロハノコギリシダ北上(赤木康氏))を参考に記載した。
画像1 杉林中の大群落の一部。画像左右の下には寒波で枯れた葉。
この葉は葉柄基部から尾状に細まった葉の先端まで1.6mもある。
 画像2 杉林だが時期的・環境的に比較的明るい場所で撮影したもの。
撮影:(2015.6.4  日向市)
 
 画像3 未だ若い葉で、葉柄と葉身の比率はほぼ1::2ぐらい。
       画像1の葉では、葉柄が長さ65cm、葉身の長さ95cm。
撮影:(2016.2.15  高鍋町)
画像4 未だ小さい葉で、葉身全体の羽片が単純な1回複葉。撮影:(2016.2.15  高鍋町)  画像5 やや成長した葉で羽片の切れ込みが明確になっている。撮影:(2016.2.15  高鍋町) 
画像6 画像4~5の変化から更に成長して下部羽片が複葉化してきている。
撮影:(2016.2.15  高鍋町)
  
画像7 葉はほぼ成葉らしくなり、下部では2回羽状、中部では中途半端な
      2回羽状、上部で単羽状、先端の方は徐々に細まって尾状になる。
撮影:(2016.2.15  高鍋町)
   
画像8 (上面)葉の上面は光沢があって無毛、羽片の柄は上についたものほど短くなる。
撮影:(2016.2.15  高鍋町)
 
画像9 (上面)側羽片の基部。明瞭な短柄があって小脈は僅かだが隆起する。
撮影:(2016.2.15  高鍋町)
 
画像10 (下面)下部羽片の最長側羽片は長さ約12cm。下面は緑白色で左右に伸びる単条小脈の隆起線は印象的。 撮影:(2016.2.15  高鍋町)  画像11 (下面)胞子嚢群は長さ4ミリほどの線状で小脈に沿ってつく。小羽片の軸や小脈には微細な毛がある。 撮影:(2016.2.15  高鍋町) 
  画像12 葉は先端に向かって羽片が徐々に縮小し、尾状に細長く尖る。
撮影:(2016.2.15  高鍋町)
   
画像13 葉柄の下部羽片分岐部。葉柄も含めて綿毛状の軟毛が張り付いたように覆っている。撮影:(2016.2.15  高鍋町) 画像14 葉柄基部の鱗片。ネクタイ状で長さ7ミリほどあり、黒色の毛と絡み合って分かりにくい。撮影:(2016.2.15  高鍋町)
 
 像15 葉柄基部の鱗片。黒く縁どられて小突起が多い。黒い糸状に伸びた先端まで長さ7ミリほど。
撮影:(2016.2.15  高鍋町)
  画像16 根茎の右端から伸びた葉柄は太さ9ミリほどで、左端の湾曲した根も含めて横長さ15cm。多くの黒い細根も長い。 撮影:(2016.2.15  高鍋町)
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