FILE NO 677 宮崎と周辺の植物
ヒトヨシテンナンショウ Arisaema serratum Var.Mayebarae(Nakai)Ohashi et J.Murata .
人吉天南星 サトイモ科
撮影日 2012.6.23
撮影場所 小林市

 多くの変異を含むがまとめてマムシグサと呼ばれているものの中で、平凡社日本の野生植物草本編1では、ヤマグチテンナンショウとヒトヨシテンナンショウだけが変種として整理されているが他の図鑑ではまた違うようにこの仲間の分類は本当に難しいらしい。
 宮崎、鹿児島、熊本県に分布するマムシグサの仲間で、ヒトヨシは3県堺の町人吉による。
 高さ1m近いものも珍しくないが形状の変化も多く、花の時期を外すと他種との見分けは難しい。
画像1 山麓の林縁草地の一角に疎らに群生した株で雨の中の果序 天南星は雌雄異株が基本
 画像2 70cmほどの高さに伸びた株から出た2つの葉。全体が無毛。
 撮影:(2011.4.25 小林市) 
画像3 葉の上に高く伸びた仏炎苞の筒部に白条があるが小変異のうち。
 撮影:(2011.4.25 小林市) 
 
画像4 仏炎苞が殆ど黒に近い濃紫色で白く細い縦の条が無いことが
     大きな特徴でこれがマムシグサと違う点で、変種とされている。
 撮影:(2012.4.14 小林市) 
画像5 横から見た仏炎苞。高さ18cm近くなり、基部の一部以外、筒部には殆ど白条がない。
撮影:(2011.4.25 小林市) 
画像6 花期の仏炎苞を破って内部を見ると、下方に粒状の雄花群、雌花群が見える。
撮影:(2011.4.25 小林市) 
     
画像7 花序先端の付属体は太さ1.5cmほどの棒状で上部が黄白色、下半部が濃紫色。
撮影:(2011.4.25 小林市) 
  画像8 花期終期のの仏炎苞を破って内部を見ると、下方に緑色の未熟な果実ができている。
撮影:(2011.4.25 小林市) 
 
 画9 花序基部の花群は、上部側に2~4個のゴマ粒状の葯のあるオバナ、
   その下方に小さな突起状の円形のメシベ1個からなるメバナがある。
  本来は雌雄異株で栄養状態で雌雄が決まるというが、同株もある。
撮影:(2011.4.25 小林市) 
 
 画像10 葉は1~2個つくが、柄先が鳥足状に別れ、うちの左右の柄から
        4~5個の小葉が出るので、1個の葉は約12~13枚の小葉となる。
撮影:(2011.4.25 小林市)
画像11 葉上面 小葉は長楕円形で長さ25cmほどになるが基部には柄が殆どない。
撮影:(2011.4.25 小林市) 
画像12 葉上面  無毛で柔らかく細かい鋸歯があって平行状の脈は隣同士連結して閉じる。
撮影:(2011.4.25 小林市) 
画像13 葉の下面 やや白みを帯びて隆起した平行状の脈の間に細い脈がある。
撮影:(2011.4.25 小林市) 
画像14 仏炎苞の舷部は長さ5~6cmほど、先は尖って縦筋は目立たず殆ど黒に見える。
撮影:(2011.4.25 小林市) 
     
画像15 新葉は未だ展開前から仏炎苞の黒っぽい部分と基部の白い部分が目立つのが特徴。
撮影:(2011.4.25 小林市) 
  画像16 上から見た葉。葉柄が左右と中央手前に3岐し、中央手前の小葉は1枚だけで有柄。
撮影:(2011.4.25 小林市) 
     
画像17 果実集団は初めは長さ6~7cmほどの鮮やかな緑色円柱状でトウモロコシのように果実が並んでいる。 撮影:(2012.6.23 小林市)     画像18 果実は表面直径4ミリほどのトウモロコシの果実状で赤く熟す。熟した詳細な果実の画像はマムシグサ参照。 撮影:(2012.6.23 小林市)  
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