FILE NO 700 宮崎と周辺の植物
ホソバコケシノブ Mecodium polyanthos (Sw.) Sw.
細葉苔忍 コケシノブ科
撮影日 2015.2.12
撮影場所 宮崎市

 
岩手県、福島・新潟県以南~琉球と、世界中の熱帯を中心に各地に分布するという常緑性シダで、樹幹上や岩上を覆うように生える。
  宮崎でも陰湿な谷等で普通に見られ、日影地の岩などを覆い隠すほど群生した風景は珍しくない。
  自生する場所には他に似たような小さなシダの類も多いが、見慣れると見分けに困難はない。属名「polyanthos」は多花の意味で、ソーラスの多いことを表していると思われる。別のキヨスミコケシノブの属名「oligosorum]は、少数のソーラスがあるを意味するらしい。
画像1 谷道脇の高さ3mほどの岩壁をこの種だけで覆い尽くした。葉柄の長さ約8cm、根際から葉身先端までの長さが17cmほど。
画像2 画像1の岩壁、茶色に枯れた古い葉の上に緑葉が伸び出している。
      画面の左下方の隙間に見える白い繊維状はこの種の枯れた根茎。
 撮影:(2015.2.12  宮崎市)
 画像3 葉を下面から見た画像。白い小点は若いソーラスで、確かに属名
     「polyanthos」の表現のように多くの花があるように見えなくはない。
撮影:(2015.2.12  宮崎市)
 
画像4 葉の上面。葉は2~4回羽状に深裂、無毛で裂片縁はやや下面向きの反る。羽片の長さ約3cm。 撮影:(2015.2.12  宮崎市) 画像5 葉身は明るい緑色で透明感がある。裂片は軸に対して45~75度の角度でつく。
撮影:(2015.2.12  宮崎市)
 
画像6 葉の下面。細い脈上に毛は無い。葉の上下(表裏)は分かりにくいが、裂片縁が手前に少し反っている。撮影:(2015.2.12 宮崎市)    画像7 ソーラス(胞子嚢群)は各裂片の先について包膜は丸い。成熟して縦に2枚の弁状に裂ける。撮影:(2015.2.12 宮崎市) 
画像8 熟したソーラスは、包膜が縦2枚に裂開して中の胞子嚢が見えてくる。
       裂けた包膜の幅は大まか1ミリ強で、包膜のついた裂片の幅とほぼ同じ。
撮影:(2015.2.16  宮崎市)
 
画像9 葉柄には基部を除いて翼がつく。葉柄中間部辺りの明るい褐色の翼。葉柄は太さ約0.6ミリ。撮影:(2015.2.16  宮崎市) 画像10 画面中央部から下方に走った二本の筋は葉柄、左右に走る細い筋が根茎。
撮影:(2015.2.12  宮崎市)
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