FILE NO 718 宮崎と周辺の植物
ホオノカワシダ Dryopteris shikokiana (Makino) C. Chr.
朴の川羊歯 オシダ科
撮影日 2017.12.2
撮影場所 川南町

 本州の(伊豆半島、紀伊半島、福井県、山口県)、四国、九州の鹿児島県内之浦辺りまでと、中国にも分布するという常緑性のシダで、山地の陰湿な林下に生え、宮崎でも稀にだが各地で見られる。
  和名は、牧野富太郎博士が25才の頃に故郷高知県の須崎市朴の川山で発見したことに因むという。。
  一見したところでは取り立てて変わったシダには見えないが分布地域でも中々お目にかかれないシダで、図鑑ではホウノカワシダと表記されていることも多い。
画像1 浅い山の水が滴る崖地を通る林道の脇にひっそりと自生。 種の特徴は画像12を参照
 画像2 道脇に屈んで見た株は根際から葉身先端まで長さ1.5mほど。
撮影:(2017.7.2 川南町)
 
画像3 未だ若い葉で傷んだ箇所は見当たらなくて全体柔らかい感じがする。
    葉身は、三角状の長卵形で3回羽状深裂し、基部では3回羽状複生
撮影:(2017.5.16  川南町)
 画像4 羽片は線状の長楕円形で先は細長く尖り長さ30cm前後。最下羽片が最大。
小羽片は羽片の縮小形で最下羽片は長さ約10cm。短い柄がある。
 撮影:(2017.3.19  川南町)
  
画像5 小羽片には短い柄が見える。羽軸に浅い溝がある。 撮影:(2017.3.19  川南町 ) 画像6 若い葉の小羽片の下面。最下羽片が最長。 撮影:(2017.5.16  川南町) 
画像7 小羽片裂片の上面。表面の白い点はこの種の特徴である多細胞の毛。 葉軸には明瞭な溝がある。 撮影:(2017.3.19  川南町)  画像8 老年期の葉の小羽片裂片の下面。葉脈の先端部に役目を終えて萎んだソーラスがまだついている。  撮影:(2017.3.19  川南町) 
画像9 羽片下面の一部で、中軸には目立って明確な深さのある溝があり、
   小羽片の羽軸にもはっきりとした溝がある。葉柄の鱗片は上部に
行くに従って減少し、羽軸では小さな鱗片が疎らにつく程度。
撮影:(2017.3.19  川南町)
  
画像10 (ソーラス) 画像9は萎んでしまった古いソーラス。この画像(画像10)は
     新葉が展開した5月に撮影したもの。ソーラスは辺縁と小羽軸の
   中間辺りの位置につく。中軸の鱗片と羽軸の鱗片が見える。
撮影:(2017.5.16  川南町)
   
 
画像11 頂羽片の細まり方。隣に生えているシロヤマゼンマイの葉が並んで写っている。 
撮影:(2017.3.19  川南町)
  画像12 この種の特徴である、小羽片に疎らに生える白い多細胞の太い毛が見える。
撮影:(2017.5.16  川南町)
 
 
画像13 (若い時期のソーラス) 直径0.7ミリ前後の球状で包膜は無い。 撮影:(2017.5.16 川南町)    画像14 成長したソーラス。艶のある小粒状の胞子が集団で丸まっている。 撮影:(2010.7.2  川南町) 
 
画像15 中軸部と羽軸部の鱗片の様子。鱗片は上部に行くに従って小さく目立たなくなる。
撮影:(2017.3.19  川南町)
 
  画像16 葉柄下部の鱗片。、基部で密生した鱗片が最大で上部に行くにつれて疎になり小さくなる。
撮影:(2017.5.16  川南町)
 
 
画像17 葉柄基部の鱗片。黒褐色、基部が広い披針形で全縁、光沢があり長さ1cm前後。
撮影:(2017.3.19  川南町)
  
  画像18 新葉が伸び始める時期の鱗片は白色。左下に横たわった茶褐色は古い葉柄の鱗片。
撮影:(2017.3.19  川南町)
  
 
 画像19 新旧の葉柄が並んでいる。左側が旧葉の葉柄。右側が新葉の葉柄で鱗片の色は白色、キヨスミヒメワラビ(シラガシダ)に似ている。
撮影:(2017.3.19  川南町)
 
  画像20 葉柄上部の鱗片は徐々に小さく細くなって、下部羽片付近では線状になる。羽片下部にも多細胞の小突起が見える。
撮影:(2017.5.16  川南町)
  
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