FILE NO 634 宮崎と周辺の植物
イガホオズキ Physaliastrum japonicum (franch. et Savat.) Honda
毬酸漿 ナス科
撮影日 2009.8.2
撮影場所 県中部

  ナス科は世界で60属2000種が広く分布するという中に日本では6属で20種近くがあるそうだが、果実がガクに包まれるのは、ホオズキ属とイガホオズキ属に限られる。
 イガホオズキは北海道〜九州、朝鮮、中国東北部に分布し、宮崎では西部と北部地域で見られるが自生地は限られるようで見る機会も多くない。
  山地の木陰等に生えて葉も柔らかい多年草で、葉腋から下垂する袋状のガクはホオズキのように赤くならず、葉の陰に隠れて殆ど目立たない。
画像1 道脇に数株が生えて、高さ70cmほどだが果実は目立たない。
画像2  葉腋から斜めに下垂した花と蕾。茎は下部で2〜3に分枝する程度だが、
      日陰に自生し全体が柔らかい感じで葉や茎、花には小さな軟毛が多い。
撮影:(2009.8.2  県中部)
画像3 イガホオズキの名のとおり発達した果実は、表面がいが状の突起に覆われたガクに
      上端部を除いてピッタリと包まれて見えないが、熟すにつれて成長し先端が出てくる。
撮影:(2009.8.2  県中部)
画像4   黄白色の花は葉腋から垂れた4cm近い花柄の先につくが、淡緑色の荒い軟毛のあるガクが目立つ。 撮影:(2008.6.14  県中部) 画像5   花は広鐘形でガクも含めて長さ1cmほど。幅が約1cmの花冠の外側には短毛が密生している。 撮影:(2009.8.2  県中部)
画像6   花冠は浅く5裂して、内部にオシベ5個があるが外からは見えない。花冠はガクからすぐに外れて取れやすい。 撮影:(2009.8.2  県中部) 画像7   花冠を千切ると雄しべが一部ついて取れる。 オシベ先端の葯は楕円形で縦に2裂する。
撮影:(2008.6.14  県中部)
画像8  全縁の葉は広卵形で基部は急に細くなり、2cmほどの長さの葉柄につながる。先も急に細くなる。撮影:(2008.6.14  県中部) 画像9  柔らかい葉の下面。薄緑色の中に大きな網目がはっきり見える脈が浮き出る。
撮影:(2008.6.14  県中部)
画像10  葉の両面と葉縁には軟毛があるが、触ってもざらつかない。 撮影:(2008.6.14  県中部) 画像11  葉の基部は徐々に狭くなり、葉柄に沿いながら途中で消える。 撮影:(2009.8.2  県中部)
画像12  茎は緑色で、分枝した枝にも花柄にも軟毛がある。 撮影:(2008.6.14  県中部) 画像13  茎ははっきりとした4稜があり、軟毛は伏毛状になる。 撮影:(2008.6.14  県中部)
画像14  果実は3cmほどの果柄の先にトゲトゲのあるガクに包まれてぶら下がる。
       ガクは基部から徐々に太くなって直径1.3cmほどのイガ状の球形になる。 
撮影:(2009.8.2  県中部)
画像15   果実のアップ画像。疎らなトゲは太さも長さも不規則。  撮影:(2009.8.2  県中部) 画像16   ぶら下がった果実の底部分(果実の上端)は果実が露出する。 撮影:(2009.8.2 県中部)
画像17   ガクに包まれた果実を見上げた画像。果実は成長して白く熟すと少しだけ先端がガクから突きだす。 撮影:(2009.8.2  県中部) 画像18   左はガクを手で無理に取り除いて果実を露出させたもの。右は通常のガクに包まれた果実
撮影:(2009.8.2  県中部)
画像18   未だ未熟な液果をガクごと縦に切断した画像。種子は液果の内周に沿って散らばる。
撮影:(2009.8.9  県中部)
画像18  未熟な液果をガクごと横に切断した画像。種子の大きさは1ミリ強でホオズキよりやや小さい。 撮影:(2009.8.9  県中部)
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