FILE NO 59 宮崎と周辺の植物
ジャケツイバラ Caesalpinis decapetala (Roth)Alst.var.japonica(Sieb. et Zucc.)Ohashi
蛇結茨 マメ科
撮影日 2010.5.18
撮影場所 小林市

 
山形・福島県以西琉球まで、朝鮮半島、中国に自生するという落葉性のつる低木で、宮崎でも各地の河原で、或いは道脇の高木の上などに咲いた花をみるが、ありふれた樹と言えるほど多くない。
 花の時期になると遠くからでも目立つのですぐに分かるが、普段は樹や草の葉に紛れて目立たないので特に注目することはない。
 イバラがつくが別名カワラフジともいうようにマメ科植物で、花も果実もトゲも大きく万葉の昔から知られていたようで、貝原益軒の大和本草、雲実の項に「茎が蛇の結ばれたるに似たるゆえまたジャケツという」と書かれている。
 球磨地方ではシシモドシとも呼び、イノシシが引き返すほど刺が強さいとされている。
画像1 高さ10mほどもありそうな樹の天辺まで攀じ登って開花した蔓。 生薬の雲実は下痢に効くという。
画像2 親樹を支えにした茎から太い枝を長く伸びだして派手な花を咲かせている。
    張り出した枝の重量を支える太い枝は、大きく固い刺で親樹に絡んでいる。
 撮影:(2010.5.18 小林市)
画像3 花は総状花序について鮮やかな黄色の花が長さ25cmほど立ち上がる。
    花柄の長さはほぼ4cmで上から下まで10cm円内に収まるように開く。
撮影:(2001.5.19 都城市)
画像4 花は大きさ横2.5cm、縦3cmほどで、花弁5の内赤い模様のある上1つだけがやや小さい。
撮影:(2001.5.19 都城市)
画像5 オシベ10個は赤色で長さ1.5cmほど、花糸下半部には縮れた白い毛が密生している。
撮影:(2010.5.12 小林市)
画像6 黄緑色のガクは5深裂し各片は長卵形で長さ1cmほど、軟毛がある。 撮影:(2010.5.12 小林市) 画像7 花序を上から見下ろすと、花冠は花序軸の周囲にほぼ円筒状に並ぶ。 撮影:(2010.5.12 小林市)
画像8 2回羽状の偶数複葉で8対ほど出る羽片に10対前後の小葉がつく。
    葉の下面は白みを帯びる。葉軸や葉柄にも丈夫で鋭い逆刺が多い。
撮影:(2010.5.12 小林市)
画像9 小葉は基部側が小さく、羽片全体が長楕円状になる。 撮影:(2010.5.12 小林市) 画像10 羽片先端の葉軸の先は小さな突起となる。下面には小明点がある。  撮影:(2010.5.12 小林市)
画像11 開きかけた新葉。不規則なトゲが葉柄全体にある。 撮影:(2010.5.12 小林市) 画像12 枝や葉柄下面にある逆刺は、先が鋭く尖って固くて強い。 撮影:(2010.5.12 小林市)
画像13 蕾時期の花序。手前には葉だけが枯れ落ちた古い枝が見える。 撮影:(2010.5.18 えびの市) 画像14 翌年の花の時期にも種子をつけたまま枯れ残った果実も多い。 撮影:(2010.5.18 小林市)
画像15。 果実は扁平な長楕円形で長さ8cmほど、上側の縫合線が張り出し、先に1cm強の鉤状に曲がった花柱残がいが残る。 撮影:(2008.7.19 小林市) 画像16 果実は明るい褐色に熟して裂開し、中には普通長さ1cmほどの楕円状の種子が10個前後入っている。 撮影:(2010.5.18 小林市)
画像17 枯れた枝では葉は落ちてしまうが刺はそのまま残る。 撮影:(2010.5.12 大分県) 画像18 太い茎の刺は逆刺ではないが、大きくて高さ2cmほどにもなる。 撮影:(2010.5.12 小林市)
画像19 地面を這って届いたクヌギにを親樹にして攀じ登った蔓だが、
 幹だけを見ると蔓植物には思えないほど太くて逞しい。
 撮影:(2008.11.28 小林市)
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