FILE NO 326 宮崎と周辺の植物
カギカズラ Uncaria rhynchophylla (Miq.) Miq.
鉤葛 アカネ科
撮影日 2009.7.4
撮影場所 県中部

 千葉県から九州にかけて自生する蔓性樹木で、巻き付いた樹木の樹冠を覆い陽光を独り占めして繁茂する常緑性籐本。
 宮崎では珍しくもないがありふれたほどでもない蔓植物で、道沿い林縁等で天に向かって勢いよく伸びた枝はよく目につく。
 中国の南部にあるという花冠が有毛の変種、釣藤は良く知られた生薬だが、日本の鉤葛も同じ成分が含まれるらしい。
 鉤を中心に数cm切り取り日干して使用するが、成分の持つ血圧降下、鎮痛作用が頭痛、肩こり、めまい等に効くという。    
画像1  花柄の先につく頭状花序は淡黄色のきれいな球状になる。(オシベは5個、5裂した花冠裂片喉部に疎らな軟毛がある。)   南米でも、この仲間はキャッツクローの名で薬効は有名という。
画像2  里山の谷沿い舗装道路脇の林縁、道側に大きく張り出した枝の奥にはさらに
         高い枝が見えるが、蔓で絡んで伸びあがったというより蔓の支持力によるようだ。
  撮影:(2007.6.24  県中部)
画像3  絡まれた樹木は完全に上部を覆われて見えなくなっているが、さらに上部で
    立ち上がった太い枝が、その下で広がった枝の支持力で高く伸びている。
      蔓の長さは不明だが太い枝からさらに分枝し、畳4枚以上には広がっている。
撮影:(2009.7.5  県中部)
画像4  この花枝は長さ約70cm、花序は葉腋から出て長さ約3cmの花柄の先に直径2.5cmほどの球状になる。  撮影:(2008.7.6  県中部) 画像5  長さ約8ミリの花冠の先に4ミリほど花柱が突き出る。花冠は5浅裂し幅約4ミリ、基部のガクは毛が密生し5裂。 撮影:(2008.7.6 県中部)
画像6  新葉。基部で片側2個が合着した線形の托葉4個が目立つ。 撮影:(2009.7.5  県中部) 画像7 新葉下面と托葉、葉腋から出た枝が変形した下向きの若い鉤。 撮影:(2009.7.5 県中部)
画像8  太い枝から直角に出て枝分かれした枝葉。葉は対生して緑色で無毛。
      葉腋に対生する水牛の角状をした下向きの鉤は上からは見えにくい。
撮影:(2009.7.4  県中部)
画像9  鉤を使うことなく高く立ち上がって大きく伸びた枝。 撮影:(2009.7.4  県中部) 画像10 花枝は普通鉤をつけないが、鉤のある枝先に花が咲くこともある。撮影:(2009.7.5 県中部)
画像11  葉は長さ約1cmの柄の先に長さ9cm前後、側脈は5個ほど。 撮影:(2007.9.16 県中部) 画像12  葉の下面は白身を帯びて無毛、脈が浅く隆起している。 撮影:(2007.9.16 県中部)
画像13  枝には普通、鉤が1個つく節と2個つく節が交互に出る。 撮影:(2009.7.5  県中部) 画像14  花(果)序軸の葉腋からは、普通は鉤が出ない。  撮影:(2009.7.5  県中部)
画像15  ヤブニッケイの小枝に絡んだ鉤。曲がった鉤は普通外径1cmほどだが、他物に絡むと肥大する。  撮影:(2009.7.5  県中部) 画像16   アカメガシワの枝に引っ掛かけた鉤。その下側の鉤に比べて大きく逞しく変形している。
撮影:(2009.7.5  県中部)
画像17  同じカギカズラに絡んだ鉤。対の片方に比べ肥大している。 撮影:(2007.7.5  県中部) 画像18   茎は中空でなく中には硬い薄茶色の髄が詰まっている。 撮影:(2009.7.4  県中部)
画像19  若い枝は緑色で、枝の横線は托葉の痕(黒班は汚れ)。 撮影:(2008.7.5  県中部) 画像20  蔓の下部。樹皮は灰褐色、枝はたいてい直角に出る。撮影:(2008.7.5  県中部)
画像21 果実が殆ど落ちて直径7ミリほどのガクだけになった果序。 撮影:(2007.9.16 県中部) 画像22  果実は先端にガク片が残ったパイナップル状で高さ約5ミリ。 撮影:(2008.8.2  県中部)
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