FILE NO 668 宮崎と周辺の植物
カナムグラ Humulus japonicus Sieb. et Zucc.
金葎 アサ科(←クワ科)
撮影日 2011.10.16
撮影場所 宮崎市

 北海道〜奄美大島までのほぼ日本全土と中国にあり、路傍や荒れ地に生える雌雄異種の蔓性一年草、宮崎でも人家のすぐ脇などに蔓延っているが、その蔓延り方はまさに雑草に覆われた荒れ地の典型的な風景を作り出す。
 この仲間のホップ(セイヨウカラハナソウ)の雌花はビールの苦み原料として有名で、更に健胃、鎮痛にも薬効があるらしいが、カナムグラの方は腫れ物、解熱の漢方薬「葎草」として我々に役立っている。
画像1 道脇から傾斜地全体にかけて広がり辺り一面を覆った蔓。 雌雄異種の蔓植物
画像2 雄株の蔓から立ち上がった円錐花序は高さ30cmほどになる。
撮影:(2011.10.16 宮崎市) 
画像3 雌花の花序は垂れて10個近い花が集まってガク状の苞だけが目立つ。
撮影:(2010.10.14 川南町)
画像4 雄花は円錐形の花序の枝から垂れ下がり、少しの風でもよく風に揺れて花粉を飛ばす風媒花。撮影:(2001.9.9 宮崎市)  画像5 雄花は花被が5全裂してオシベ5個、開いて差し渡し3〜4ミリほどの大きさ。
撮影:(2010.10.5 川南町) 
画像6 垂れた雌花序は毛のあるガク状の苞に包まれた花が集合して毬果状になる。
撮影:(2010.10.5 川南町) 
画像7 苞を千切り取ると雌花が露出、緑色のメシベの先の角状の花柱2本が見える(上下逆に撮影)。撮影:(2010.10.14 川南町) 
画像8 対生した葉と蔓の様子。15cm以上にもなる葉柄を真っ直ぐ
     天に伸ばし、掌状に5〜7裂した葉を水平に広げて辺りを覆う。
撮影:(2011.10.16 宮崎市) 
画像9 切れ込んだ葉の大きさは中央裂片の長さが10cmほど、艶は全くない。 
撮影:(2011.10.16 宮崎市) 
画像10 上面の裂片先端の拡大画像。全体に凹凸や小刺が目立ってざらつく。
撮影:(2010.10.5 川南町) 
画像11 葉柄に稜があり多くの小逆刺があって手でも服でもなんにでも絡んでくっつく。
撮影:(2010.10.5 川南町) 
画像12 葉の下面。白い小腺点があって脈には白く粗い毛がよく目立つ。
撮影:(2011.10.16 宮崎市) 
画像13 雄花序の軸や枝にも下向きの小逆刺があって引っかかる。
撮影:(2010.10.5 川南町) 
画像14 蔓と対生した葉柄、花序軸、托葉。全体に鋭い下向きの小逆刺がある。
撮影:(2011.10.16 宮崎市) 
画像15 まだ若い果実。苞は花後大きくなって果実を包む。苞の色は赤みが強くなる。
撮影:(2010.10.14 川南町) 
画像16 熟した果実は高さ5ミリほどのやや扁平な壺状で、口部が突出している。 
撮影:(2010.11.4 川南町) 
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