FILE NO 167 宮崎と周辺の植物
カノコソウ Valeriana fauriei Briq.
鹿の子草 オミナエシ科
撮影日 2004.5.26
撮影場所 高千穂町

果実の画像:撮影2005.6.12高千穂町

 宮崎ではまだ車で走っていても道脇に見ることができるが、やはり減ってきていることは間違いなさそう。
 涼しい山陰に入ると左右に点々とつながって生えており、少しピンクがかった花を見るために車を止めることになる。
 漢方ではなく、江戸時代長崎出島のオランダ商館医師から薬用になることを教えられた生薬として注目されるようになったようで、戦前まで栽培されてヒステリーに効く薬材料としてイギリスに輸出されていたことを初めて知った。
 見た目にも優しい花で昔からあるにしては、なぜか歌にもあまり詠まれていないのはなぜだろうか。 
 鹿の子草は、花序についた蕾の色と感じが桃色の「かのこ絞り」に見えることからと牧野図鑑にはある。
画像1 これはかなり日当たりの良い道脇に生えていたが、水気のある場所に多い花である。
画像2 花はぎっしりしたと集散花序となり、
薄紅色を帯びた蕾が混じって目立つ。
画像3 茎は直立して1m近くなり、葉は羽状に全裂し、裂片には鋸歯がある。
画像4 花冠は5裂して直径3cm、オシベ3個は花冠から長く突き出す。 画像5 果実は長さ4ミリほど、白い羽状の冠毛はガクが変化したもので、これで風に乗って飛ぶ。
画像6 ガクが変化した冠毛は差し渡し1.5cmほどで、これは13個ある。 画像7 長さ約7ミリの冠毛がついた果実の側面。
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