FILE NO 712 宮崎と周辺の植物
カタクリ Erythronium japonicum Decne.
片栗 ユリ科
撮影日 2017.4.29
撮影場所 熊本県

 
樺太~北海道~九州熊本県、朝鮮、中国まで分布するという落葉樹林等に群生する多年草で、スプリングエフェメラルの1つだが、九州では自生地は少なくて群生の規模も小さい。
 堅香子を語源とするカタクリについては、前川文夫氏の「植物の名前の話」にコバイモ説が出てくるが、本多郁夫氏の近著「知るほどに楽しい植物観察図鑑」では著者の学生時代の見聞等から否定的な見解が述べられている。
 ただ、縄文時代には採集が過ぎて減少したため、代替品としてコバイモが利用され始めたという発想は、和名の伝わり方として有りうる気はする。
画像1 画像3のような落葉樹林の傾斜地、疎らに広がった群生地 全体が無毛。
 画像2 岐阜県の自生地で撮った未だ蕾の時期の画像、時期を考えると
       開花時期は熊本県と思ったほど大きな違いはないのかも知れない。
撮影:(2010.4.16  岐阜県)
 
 画像3 仕切りロープの中は二枚葉に成長した株が目につくが、良ーく目を
     凝らしてみると見ると未だ一枚葉段階の幼株もかなり見えるので、
     七年後に開花としても、多分毎年これぐらいの数の花は咲くだろう。
撮影:(2017.4.29  熊本県)
画像4 地上15ほどに伸びた花茎の先で下向きにに1個ついた花、葉は地面に伏している。花被片は長さ4cmほどで平開後徐々に反り返る。
撮影:(2017.4.29  熊本県)
 
画像5 淡紅紫色の花被片は6個、外側基部にW模様の濃紫斑紋がある。花被片内側の基部に壁状の小突起に囲まれた底に蜜が溜る。
撮影:(2017.4.29  熊本県)
 
画像6 花被片が反り返って完全に開花した花。オシベは6個で葯は細長く
    濃黒紫色、メシベはオシベより花柱が伸びて柱頭が3裂している。
撮影:(2017.4.29  熊本県)
  
画像7 開花期になって初めて出てきた2枚葉の内の1枚。葉身の長さ約10cm、
      幅6cmほど。淡緑色の中に暗紫色の不規則な斑紋が出る。花が終わると
      早々に枯れてしまう。地下にある細長い鱗茎は毎年下方に更新されるため
   年々深くなり、花茎も葉柄も地下には地上部ほどの深さがあるという。
撮影:(2017.4.29  熊本県)
   
画像8 葉上面の斑紋。花が無くてもこの模様だけで見分けがつく、。 撮影:(2017.4.29  熊本県)  画像9 葉下面に見える斑紋。葉全体は柔らかくて厚みがある。 撮影:(2017.4.29  熊本県) 
画像10 葉柄と葉身基部。
撮影:(2017.4.29  熊本県)
 
画像11 地上に出てきた葉柄と花茎。 
撮影:(2017.4.29  熊本県)
 
 画像12 未だ花被片の残がいがついたままの若い果実。葉もなく地面の枯れ
     葉の間から伸びた細い果茎の先が曲がって緑色の果実が下がる。
   果実は3稜があり大きさ約2cm。  撮影:(2017.6.5  熊本県)
 
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