FILE NO 663 宮崎と周辺の植物
キダチニンドウ Lonicera hypoglauca Miq.
木立忍冬 スイカズラ科
撮影日 2011.12.9
撮影場所 宮崎市

 本州の静岡県、広島県、四国、九州、台湾、中国~ベトナムにかけて分布するという半常緑性のつる性木本で、紫褐色のつるを長く伸ばしながら枝を分けて樹木に絡むが、宮崎では冬でも葉を落とすことはなく、木立忍冬の和名のとおり寒い冬の時期も通常の姿で見られる。
 宮崎では低山地の林縁の道脇で見るが、南部では少ない。
 本来の忍冬(スイカズラ)と違って蜜を吸う遊びには不向きの大き花だし、丈夫そうな蔓は意外と脆くて何かを縛る役には立たないが、花は賑やかに咲く。
画像1 蔓は分枝して縦横に伸びているが、主蔓の長さは目測約6m。
画像2 地表から樹木を巻き上がった蔓は樹上を横に這ったり、樹冠先端から
    長く垂れ下がったりして枝の葉腋に黄色や白の花を賑やかにつける。
撮影:(2011.6.2  宮崎市) 
画像3 枝先の対生した葉腋から各1個、長さ1cm前後の花柄が出て
      それぞれ2~4個の上下2裂の唇形花をつける。下方棒状は蕾。
撮影:(2011.6.4  宮崎市) 
画像4 花は花筒部が長さ約2.5cm、4裂してクルリと巻いた上唇は長さ約3.5cm、下唇はやや短い。
撮影:(2011.6.4 宮崎市) 
画像5 側面から見た花。オシベは5個で花筒から3.5cmほど突き出る。花柱はやや長く4cmほどが突き出る。 撮影:(2011.6.4  宮崎市) 
画像6 葉は長く伸びる枝に対生して長楕円形で鋭頭、基部は円形。
     基部につく葉は先端部につく葉に比べて先が丸みを帯びる。
撮影:(2004.12.16  宮崎市) 
画像7 若葉の上面。葉柄を含めて長さ4~15cmほどと変化が大きい。葉柄は長くて1.5cmほど。
撮影:(2011.6.2 宮崎市) 
画像8 葉の上面は初め毛があるがやがて無毛になる。基部は円形、葉柄は有毛。
撮影:(2011.6.2 宮崎市) 
画像9 葉は厚みがあり、天空に翳しても透視性は悪く黒っぽい脈と腺点が透けて見える程度。
撮影:(2004.12.16 宮崎市) 
画像10 葉の下面。脈が隆起して見え、全面に細かい腺点が散らばり、脈上の毛は後まで残る。
撮影:(2011.6.2 宮崎市) 
画像11 若い蔓は紫褐色で開出毛と小腺毛がある。葉柄基部は茎を取り巻く。
撮影:(2011.11.19 宮崎市)
画像12 蔓は古くなると縦にひび割れができて剝がれ、淡褐色の縦縞ができる。
撮影:(2011.6.4 宮崎市) 
画像13 基部の蔓は縦筋ができたまま木本状に固くなって蔓のように見えない。
撮影:(2011.11.19 宮崎市) 
画像14 蔓の先端部。葉も蔓も全体に白い軟毛が密生、基部が繋がった葉柄がよく見える。
撮影:(2007.10.20 宮崎市)
     
画像15 果実は先が少し尖った球形で果序につく果実の大きさは均一にならない。
撮影:(2007.10.20 宮崎市)
  画像16 果実は幾つかが熟して高さ1cmほどのやや縦長の黒い球形液果になる。
撮影:(2011.12.7 宮崎市)
トップへ 科名リストへ