FILE NO 71 宮崎と周辺の植物
キキョウ Rlatycodon grandiflorum (Jacq.) A.DC.
桔梗 キキョウ科
撮影日 2015.8.9
撮影場所 県内海岸部

 
奄美大島~北海道までの日本と、朝鮮~中国のウスリー辺りまで分布するという多年草で、草原等に生えて古くから日本人に愛されてきた秋の七草の一つだが、近年は草原等の消滅で減少し、希少な植物に数えられるようになっている。
  宮崎でも野生種を見る機会は少なくなっているが栽培種があちこちの公園等に植えられている。
  画像は岩場のシャリンバイの間に自生している花で、秋の七草のイメージからはほど遠く、懸命な逞しさが伝わってくるような気がする。
画像1 シャリンバイやカヤ等の繁る岩場の少し開けた場所で開花
画像2 花は茎頂とその近くから数個伸びて花冠は斜め上を向く。
 撮影:(2015.8.09  県内)
 画像3 果実になったもの、枯れ残った萎れた花冠、開花中の花冠と、
      変化の形が見える。茎頂先端の未熟果の先にガク片が残る。
撮影:(2015.8.09  県内)
 
画像4 開花初期の花冠で、メシベ柱頭が未だ開いていない。先が5裂した花冠は差し渡し約6cmの大きさ。 左方の蕾は未だ小さい。
撮影:(2015.8.09  県内)
画像5  開花してオシベ5個が開いて花粉を出し始めている。メシベ柱頭は未だ固くて開いてない。オシベの位置は花冠裂開部に対応している。 撮影:(2015.8.09  県内) 
 
画像6 開花後4~5日経過しオシベが枯れ散って自家受粉出来なくなった頃、メシベ柱頭が開いて5裂し他の花から訪れた昆虫により他花受粉が行われる。 撮影:(2015.8.09  県内)   画像7 花は花冠裂片が5個、オシベが5個,、メシベ柱頭が5裂するのが原則だが、オシベ、メシベが何かの理由で4個になった花も中にはある。
撮影:(2015.8.09  県内)
 
 
画像8 ガクは子房と合着、先端は5裂し裂片は狭三角状に尖る。 裂片先端まで子房部含めて高さ1.5cmほど。撮影:(2015.8.09  県内)     画像9 蕾では花冠裂片は縁が隙間なくくっついて紙風船状、開花時にはポンと弾けるように開くという。撮影:(2015.8.09  県内)  
 
画像10 この花茎は高さ約80cmほどで殆ど枝を分けることなく直立。葉は茎下方で輪生状、中程で対生状、上方は互生となる。
撮影:(2015.8.09  県内)
 
  画像11 花茎上部の葉序。殆ど互生で上に行くに従って葉は小さくなる。花は順次開花しながら数日かけて受粉するので花は数日間開閉を繰り返す。撮影:(2015.8.09  県内)  
画像12 茎の下方で展開した葉は殆ど輪生状。葉は縁に鋭い鋸歯がある。
     しっかりした葉は典型的な狭卵形で、不規則に多少波打つ感じ。
撮影:(2015.8.09  県内)
 
 画像13 茎の中部付近の葉。輪生状、対生状、互生についている。やや硬い葉は長さ7~8cm。葉柄はごく短い。 撮影:(2015.8.09  県内)    画像14 葉は上面無毛で葉縁の鋸歯は鋭く尖り、葉の主脈先端部は明らかに刺状になる。
撮影:(2015.8.09  県内)
画像15 葉の下面。白く微細な短毛が多く白っぽく見える。主脈が軽く隆起する。
撮影:(2015.8.09  県内)
画像16 葉の基部拡大画像。僅かに葉柄部がある。葉身は透明性が高く小さな網目が顕著。
撮影:(2015.8.09  県内)
 
 画像17 茎に特段の特徴はないが全体に細くて円滑で葉痕部が突出している。
撮影:(2015.8.09  県内)
  画像18 切った茎から白色の乳液が出るが、葉を切った場合も同様、嘗めても苦みはない。
撮影:(2015.8.09  県内)
画像19 未だ未熟な果実で高さ約1.5cm程になり、熟すと上部が5裂して、
 多くの細かい種子を出す。  撮影:(2015.8.14  県内)
  
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