FILE NO 638 宮崎と周辺の植物
キヌタソウ Galium kinuta Nakai et Hara
砧草 アカネ科
撮影日 2009.8.22
撮影場所 県北部

  かなりの図鑑では本州〜四国、中国大陸の山地林内にあるとなっているが、九州でも大分、熊本、宮崎北部の一部山地に自生しているようだ。
 キヌタソウを砧草と書くのは、牧野図鑑の解説「恐らく、果実の形を衣類をたたくのに使用する砧に見立てたものかと思われる」によると思われる。
  また図説草木名彙辞典(柏書房 1991年 木村陽二郎監修)に、文化6年発行の物品識名に記載があると書かれており、もうその頃にはキヌタソウと呼ばれていたようだ。
画像1  1000mを超える山地尾根の僅かな土の箇所に群生した株。
画像2  高さ20cmほどの茎先端に円垂状に真っ直ぐ伸びた集散花序。
      生育地は陽光に恵まれた地だが、普通は傾いていることが多い。
撮影:(2009.8.22 県北部)
画像3  輪生した4枚の葉腋部から左右に長さ7〜8cmほどの花枝が伸びているが、
   葉の内の2枚は托葉が発達したもので、花序が出た方の葉が真正の葉。
撮影:(2007.9.20 県北部)
画像4 茎の先から伸びた花枝から枝分かれして小さな花が疎らにつく。 撮影(2003.8.23 県北部) 画像5 見にくいが、左の花冠には丸い子房の先に2つの花柱が見える。 撮影:(2003.8.23 県北部)
画像6  オシベ4個は小さな花冠から外に飛び出してやがて横に倒れる。 撮影:(2009.8.22 県北部) 画像7  白い花冠は4深裂して3ミリほどに開き、裂片の先は細く尖る。 撮影:(2009.8.22 県北部)
画像8  葉は茎の節から四方に無柄で長さ5cmほどの4枚が輪生して水平に広がる。
     皮針形の葉は正確には偽輪生で、4枚の内の2枚は托葉が大きくなったもの。
撮影:(2009.8.14 県北部)
画像9 上面。基部から走った3脈が先端で閉じて無毛だが縁に短毛がある。 撮影(2009.8.14 県北部) 画像10  脈は下面に突出。外側の脈と縁の間にゆるい網状脈が見える。 撮影:(2009.8.14 県北部)
画像11  茎は真四角で平滑。普通は途中で枝を出すことはない。 撮影:(2009.8.14 県北部) 画像12  若い果実。果実は2分果からなるが、しばしば不良変形する。 撮影:(2009.8.22 県北部)
画像13  直径約1.5ミリの黄緑色の球形が変形して成長した分果の1個で無毛。茶褐色のは未開で残った不良花。 撮影:(2007.9.20 県北部) 画像14  開花前の形がよく判る不良花だが、子房の先に未開のままの蕾が残り、形は一見砧風にも見える。 撮影:(2009.8.14 県北部)
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