FILE NO 514 宮崎と周辺の植物
キリシマミズキ Corylopsis glablescens Franch. et Savat.
霧島水木 マンサク科
撮影日 2005.4.19
撮影場所 霧島山地

 鹿児島との県境に横たわる霧島山地の一部に自生するが、四国の高知、愛媛県にも分布するといわれている。
 高さはせいぜい3mほどの落葉低木で、標高1000mを超えるあたりの4月、まだ緑の少ない風景に中に明るい黄色が目に鮮やかに映る。
 ミズキ科ではないのにミズキとついているが、和漢三才図会(正徳2年)の、美豆木の項に、土佐の山中に・・・正月黄花を開く・・・呼んで土佐美豆木と名ク・・・というトサミズキの記述がある。(下記注) 
画像1 標高の高い霧島山地の4月後半、葉の展開が始まっているが、やっと開いたまっ黄色の花、周囲の樹木の緑はまだ少ない。 山渓カラーガイド44花木1(加藤要、中村恒雄)から引用。
画像2 全体樹形。上部で良く分枝するが、地面の傾斜、日や風のあたりぐあいで形が変わり、素直な樹形は少ない。撮影(2005.4.19) 画像3 花序軸は無毛で、10個近くの花がつく。花は先が5裂し、広がった花弁の幅2cmほど。
撮影(2005.4.19)  
画像4 葉が少し開きかけた枝から長さ6cmほどの軸が下垂し、穂状になった花序をつける。
撮影(2005.4.19)
画像5 長さ5ミリほどのオシベは花弁より短く、葯もまた黄色。広楕円形の苞葉も黄色。
撮影(2004.4.15)
画像6 展開しようとしている花序と葉。
濃い緑の新葉、苞葉、托葉は美しい。
撮影(2005.4.19)
画像7 新葉。独特の側脈がはっきりして、鋸歯の先は芒状に細く長く突き出る。
撮影(2005.4.19)
画像8 葉の上面は無毛、平行する側脈が整然としている。葉柄は長さ2cmほど。撮影(2005.9.3) 画像9 側脈が10本ほどの葉の下面は、少し白味がかって軟毛がある。撮影(2005.9.3)
\
画像10 互生する葉は5〜6cmの卵円形で、やや厚くしっかりしている。撮影(2005.9.3) 画像11 枝は赤みを帯びて皮目が多く、赤い側芽が目立つ。撮影(2005.9.3)
画像12 果実は刮ハで葉の間から房状に下垂する。
撮影(2005.9.3)
画像13 若い果実、直径8ミリほどの広倒卵形。
撮影(2005.7.3)
画像14 果実には、長さ4ミリほどの2個の角状の花柱が残る。撮影(2005.7.3) 画像15 幹の基部は直立するが、上部で枝分かれし、樹皮は灰褐色。撮影(2004.4.15)
画像16 少し開き始めた冬芽。
撮影(2006.3.25)
画像17 花の咲く直前まで枝に残っている果実の残骸。撮影(2006.3.25)
トップへ 科名リストへ