FILE NO 241 宮崎と周辺の植物
コオニタビラコ Lapsana apogonoides Maxim.
子鬼田平子 キク科
撮影日 2007.3.3
撮影場所 野尻町

  本州〜沖縄まで春の田など湿地に見られる2年草。
  タビラコを牧野図鑑の索引で引くと、ホトケノザ、キュウリグサ、コオニタビラコに当る。
  平安の昔からあったらしい春の若菜摘みに数えられる七草の1つ、古名ホトケノザがこのコオニタビラコを指していることに異論は無く、現在のシソ科のサンガイグサがホトケノザと呼ばれだしたのは宝永期(1704〜1711年)からだそうでまことにややこしい。
 オニタビラコとは名前は似ているが、縁はかなり遠い。
画像1 早春、まだ田起こしもされない田んぼで地面にへばりつくように広げた根生葉の間から、高さ3cmほどの花茎を立ち上げた株。
 キク科で大きなグループを占めるタンポポ亜科の中でも、冠毛がないのは、ヤブタビラコ属のこのコオニタビラコとヤブタビラコだけらしい。
小花は普通7〜9個の舌状花だけからなり、太陽の光を浴びて開く。 最近は生育環境の悪化で減少している。
画像2 直径1cmほどの開花したばかりの花。
 11個ある舌状花の先には5歯がある。 
撮影(2007.2.24 野尻町)
画像3 太陽を受けて開花し、それぞれの小花の伸びた花柱の先の柱頭が開いている。
撮影:(2007.3.3 野尻町)
画像4 総苞は先が尖った5ミリ近い内片5個と小さな外片5個。  撮影:(2007.3.3 野尻町) 画像5 舌状花は長さ5ミリ弱、冠毛がなく子房も無毛。  撮影:(2007.3.3 野尻町)
画像6  果実(未熟)はそう果、普通キク科にある冠毛がなく、先端が小さく切れてかぎ状になる
撮影:(2007.3.16 野尻町)
画像7 果実は長さ3ミリ強、縦に筋が入り、両端にいくつかの切れ込みが入る。
撮影:(2007.3.16 野尻町)
画像8  葉は先端が最大になる羽状に裂け、長さ5〜6cmの根生葉が
      ロゼット状に広がって、、仏の座もしくは田平子の意味が分る。
撮影:(2003.2.23 綾町)
画像9  葉のアップ。若い葉の表面には短毛があるが消える。 撮影:(2007.2.24 野尻町) 画像10  葉の下面は多少白味を帯びて無毛。
撮影:(2007.2.24 野尻町)
画像11 高さ5cmほどの花茎。花は普通僅かに枝を出し、先端に頭状花が1個つく。
撮影:(2007.3..3 野尻町).
画像12 根は直根で、地上部の高さ3cm程度に比べると10cm程度と際立って長い。
撮影:(2007.3.11 野尻町)
画像13 参考画像(オニタビラコの根) 地上部25cm程度に比べ根は8cm程度で側根が目立つ。
撮影:(2007.3.11 宮崎市)
画像14  参考画像(ヤブタビラコの花) 高さ30cmにもなり、頭花は8ミリほどと小さく、舌状花の数は20個ほど。 撮影:(2002.4.14 川南町)
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