FILE NO 412 宮崎と周辺の植物
コウゾ Broussonetia Kazinoki × B.papyrifera
クワ科
撮影日 2012.6.29
撮影場所 宮崎市

 カジノキとヒメコウゾとの雑種とされている落葉性の低木で、県内では低山地に多い。
 コウゾと呼ばれていた雌雄同株の性質を持つヒメコウゾが、雌雄別株のカジノキと雌雄同株のヒメコウゾとの雑種であるコウゾが610年頃製紙技術とともに移入されたため、在来のコウゾはヒメコウゾと呼ばれるようになったというらしい。
 県内でよく見かけるコウゾは、外見はヒメコウゾの性質が強いが雌雄別株であるのでコウゾの範疇に入るとしか言いようがない。
画像1  山麓の道脇で長く伸びた枝に目立つ、熟し始めた赤い果実 雌雄別株
 画像2 長く張り出した枝の葉陰に下がってやや赤っぽく見える雌花。
 撮影:(2011.4.28 、宮崎市) 
画像3 高さ4mはありそうな画像1の樹で、大小の分枝も多い。
     成長すると独自の樹形が整うが若木は斜長枝が目立つ
撮影:(2012.6.29 宮崎市) 
画像4 (雌花序) 新枝の葉腋ごとに各1個ずつついて花柄の先にぶら下がって見える。
撮影:(2011.4.28 宮崎市) 
画像5 直径6ミリほどの球体から四方に伸びた淡赤紫色の花柱は長さ約6ミリ。
撮影:(2005.4.17 宮崎市) 
     
画像6 (雄花序) 新枝の葉腋に1個ずつついた雄花序、枝の上部に見える蕾はクワの実に似る。
撮影:(2005.4.17 宮崎市) 
  画像7 雄花序は長さ1.5cmほどの円筒状になり、1個の花には3~4個のオシベがある。
撮影:(2004.4.29 宮崎市) 
 
 画像8 互生する葉は長さ10~20cmほどで先は細長く尖り、基部が歪んだ
         卵形.。上面はざらつく感じだが手で触ってみると意外に抵抗が少ない。
撮影:(2011.4.28 宮崎市) 
画像9 (葉上面) 散生する短毛は指に殆ど感じられない程度、葉柄は長さ8~9ミリ。
撮影:(2011.4.28 宮崎市) 
画像10 葉柄には確かに短軟毛が密生している。基部の3脈は葉柄上部に接している。
撮影:(2012.6.29 宮崎市) 
画像11  (葉下面) 脈は明瞭で側脈、細脈等がそれぞれ鮮やかに浮き出る。
撮影:(2002.6.15 宮崎市) 
画像12 成葉の下面基部。葉柄の毛は少し見えるが、下面の毛は殆ど取れて見えない。
撮影:(2008.6.29 宮崎市) 
     
画像13 鋸歯の先はやや丸みのある尖り方で、側脈が葉縁近くで湾曲して網目で終わる。
撮影:(2012.6.29 宮崎市) 
  画像14 側芽が枝に圧着しない点がヒメコウゾと違う。2年枝樹皮には縦溝に小皮目が交じる。
撮影:(2012.6.29 宮崎市) 
     
 画像15 灰褐色の枝には小さな横の皮目が散らばるが目立つほどの凹凸はない。
撮影:(2011.5.28 宮崎市) 
  画像16 樹皮は樹齢でかなり変化するが、全体に多くの皮目が小突起状にあって縦溝が入る。
撮影:(2012.6.29 宮崎市)  
     
 画像17 小枝を折り取ろうとしても樹皮が強くて引き千切れないので、ナイフが必要となる。
撮影:(2005.7.10 宮崎市) 
  画像18 果実は直径1.5ミリほどの歪んだ球形に赤熟、食べられるが嫌味のある甘み。
撮影:(2008.6.29 宮崎市)  
 
画像18 枝にギッシリとついて熟し始めた果実を見上げた画像。コウゾは
        は殆ど結実しないというが、この辺りはヒメコウゾの性質が特に強い
         コウゾが多いと考えるべきなのか、多くの果実をつけた樹も珍しくない
撮影:(2012.6.29 宮崎市)   
トップへ 科名リストへ