FILE NO 211 宮崎と周辺の植物
sen
クマヤマグミ   (キリシマグミ) Elaeagnus epitricha Momiyama
久万山(霧島)茱萸 グミ
撮影日 2011.4.21
撮影場所 延岡市

 
九州各県と愛媛・高知県に自生する落葉性の小高木で、南限は鹿児島県高隈山となっている。
 和名は愛媛県の九万山で最初に見つかったことによるらしいが、まとまった自生株が多く見られるのは霧島山地だけといわれ、この撮影地付近でも数株しかなかった。
 狭い分布範囲の中で山地林内等に点在し、花も小さくて殆ど目立たないので記載のない図鑑等もかなりあって、果実の熟す時期を逃すと人に知られる機会は少ない。
画像1 不規則に分枝する細枝葉腋につく小さな花は目立たない。
画像2 スズタケの藪に囲まれた株上部に広がった枝から下がった果実。
撮影:(2007.6.10
 延岡市)
画像3 中央の不規則に伸びた白っぽい幹の枝先に小さな緑色の葉が見えるが、
      まだ葉が出てない周囲の高い樹に囲まれて歪に伸びた樹形と思われる。
撮影:(2011.4.16
 延岡市)
画像4 花は基部が少し膨れたガク筒部が長さ約7ミリで銀色の鱗状毛に淡黄褐色の鱗状毛が散生する。ガク先は4裂する。
撮影:(2011.4.16
 延岡市))
画像5 ガク筒の一部を千切り取ると、ガク等壁に残った2個のオシベが、左の子房から伸びたメシベが見える。
撮影:(2011.4.21
 延岡市)
画像6 花は葉腋に1~3個が横向きに、或いはぶら下がってつく。
     糸状の細い花柄は長さ1.2cm、子房部は3.5ミリほどの長さ。
撮影:(2011.4.21
 延岡市)
画像7 花や新葉がつく細い枝には褐色の鱗状毛が密生して古い枝と区別できる。
      小さく丸っこい新葉の下面にも銀色の鱗状毛の上に褐色の鱗状毛が重なる。
撮影:(2011.4.16
 延岡市)
画像8 成葉は先が鈍形に尖る長楕円形で長さ5~6cmになり、縁が波打つ。
       成葉になっても上面には白色の星状毛が上からばらまかれたように残る。
撮影:(2001.7.20
 高原町)
画像9 若い葉の上面。葉は柔らかいが側脈はあまりはっきりせず主脈がやや窪む。
撮影:(2007.6.10
 延岡市)
画像10 葉柄はせいぜい5ミリほどで若枝と共に褐色の鱗状毛に覆われる。葉面に白い星状毛が見える。 撮影:(2007.6.10  延岡市)
画像11 若い葉の下面。全体に銀色の鱗状毛が密生して光り、その加減で僅か隆起した数対の側脈が見える。 撮影:(2005.6.18  延岡市) 画像12 葉の下面鱗状毛の近接画像。銀色鱗状毛の中に少し黄褐色の鱗状毛が残っている。
撮影:(2010.5.13
 延岡市) 
画像13 枝葉の雰囲気。大枝も小枝も殆ど不規則に出る感じで傾いて伸び不整形。
       基部で分枝して灌木状になる樹もあり、上部で横に伸びて垂れる枝も多い。
撮影:(2011.4.21
 延岡市) 
画像14 若い枝と葉柄の鱗状毛。銀色の鱗状毛に淡褐色の鱗状毛が重なる。
撮影:(2010.5.13
 延岡市) 
画像15 幹は灰黒色で横長の皮目が多く、鋭い刺は基部が段状の円座になり長いのは3cmにもなる。 撮影:(2011.4.16  延岡市) 
画像16 果実は葉腋から細い花柄が長さ2cmほど緩く湾曲して垂れ下がり赤く熟す。
撮影:(2005.6.18
 延岡市) 
画像17 果実は縦1cm強の広楕円形で、銀色の鱗状毛が粉状に見える。渋みがなく美味い。
撮影:(2005.6.18
 延岡市) 
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